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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.57 )
- 日時: 2011/10/10 18:04
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
番外編2-2 謎の鍵の在りか
流星と樹奈は、公園のベンチに座っていた。桜が散り、夏休みが終わり、いつの間にか紅葉の季節。時間が経つのは早い。赤や茶色に色づいた葉は、ひらひらと円を描きながら舞い落ちていく。
「流星!」
「なんですかぁ〜」
「あれを見て!」
指差した先には、灰色のパーカーを着た朱里がいた。
「朱里さんではありませんかぁ〜! 読みはあたりましたねぇ〜」
「そうね。でも、見つかる可能性があるわ。あの子は自分の使命を分かってる。いつ私たちを殺すかも限らない。それに———」
樹奈は、言葉を切った。瞬発的に。カーキ色のコートを着直した流星を見つめ、記憶をたどった。幸運なことに、流星は気付いていない。樹奈が読みとった記憶———それは、残酷な風景だった。血が飛び散り、目の前の死体は、無残に荒らされている。息を飲む光景だった。
「私は、間違った道を言ったんでしょうか。」
- Re: 神的少女は殺戮がお好き ( No.58 )
- 日時: 2011/09/30 17:29
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
珍しく、普通の口調でつぶやいた。真剣な表情だ。樹奈は記憶を読むのをやめ、流星の話に専念しようとした。
「私は、元死神少女です。死神少女をやめてから、これから起こる災いを、つきとめよう、止めようと必死になって探しまくりました。———それでも、見つかりませんでした。それが、樹奈さんの手で明かされようとしているのを見ると、私がこのために使った時間は、無駄だったのかと思うんです。」
赤みがかった茶髪の髪は、風にたなびき揺れ、一瞬、血を思わせるかのように赤く見えた。一瞬ではあったが、樹奈はこう悟った。きっと、謎のカギは私と流星でつくられる。そして、血のように赤く見えるのは、血で染められているからだと。なぜ血で染めるのか、そこまでは分からなかった。樹奈には、ただただ、記憶を読むことしかできなかった。
番外編2-2 結
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