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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神的少女は殺戮がお好き【第四章更新!】 ( No.78 )
- 日時: 2011/10/15 08:51
- 名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
第五章 親切少女の殺意
優奈は、じーっと外を見つめていた。空に浮かぶ雲が、太陽を覆い隠していく。曇り気味の空から一筋の明かりが見えたとき、何かに気づいたようにベッドから飛び起きた。
「殺戮を阻止しなきゃ……」
そうつぶやいたとき、優奈の心の中で何かが現れた。うすいコートをつかんだ優奈は家を飛び出し、肌寒い空の下をかけて行った。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
息をきらしてあるレンガ調の家の前にたどり着いた。表札には 『花園』 と書いてある。呼吸を整えながら、手を膝に置く。ようやく呼吸が安定してきてインターホンを押そうとしたとき、誰かが優奈を呼び止めた。
「優奈……ちゃん?」
それは、こんな寒い中にベージュのフリフリのミニスカートと黒いレギンスをはいて、ピンクの薄そうなパーカーを羽織っている、渚だった。右手にはリードが握られていて、その先には愛犬のヴィクトリアがかわいくおめかしをして、ちょこんと座っていた。
「どうしたの?」
「あ、いや……用事があって。」
「そうなの? 私はね、朱里ちゃんと遊ぶ約束してて。一緒に行かない?」
「うん……」
渚は、カメラ付きのインターホンを押した。“ピンボーン”小さくオルゴールのような音が聞こえた。
『渚? ちょっと待っててね、今行くから!』
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