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Re: 神的少女は殺戮がお好き【オリキャラ募集開始!】 ( No.89 )
日時: 2011/10/25 16:16
名前: 奈美 ◆a00JQBXv3o (ID: b1kDOJaF)
参照: オリキャラ応募お願いします!

第七章 消えた少年と伝説の行方

「ふっ、馬鹿みたい。私が与えられた力を使わないとでも思った?」

三日月が爛々と輝く夜空の下——朱里は悪魔の笑みを浮かべていた。手には、優美からもらった——正確には盗ったナイフが握られていた。そのナイフには錆びた血と、その上に重ねられた新しい新鮮な血が垂れていた。消えたり着いたりする街灯に照らされ、横たわった男性の姿があらわになった。刺された背中を抑え、もがくように倒れている。

「あーあ、またやったんだ。それじゃあ優美と変わらないな。」
「…だ……誰?」

誰かが、朱里の後ろにいる。気配を感じて、体を強張らせた。

「半年ぶりかな、俺だよ、俺。」
「まさか……奏!?」

思わず、ナイフを手から滑り落した。乾いた音を立てて地面に衝突する。朱里は後ろにいる奏の影を見つめた。その影はこくん、とうなずいた。

「本当に? 死んだはずじゃないの? 私の目の前で落とされて……」
「ああ、落とされたさ。でも、誰かが過去から連れ出してきてくれた。」
「嘘……ほんっ…とに——」

朱里は涙をためながら、地面に崩れ落ちた。白い頬の上を涙が滑る。頭に奏の手がのり、朱里は上を向いた。あの最後に見た姿と何も変わりない。嬉しさで頬が緩むのが分かった。
少し過去にさかのぼって、御園家では——