ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

黒い蝶は闇に消える ( No.14 )
日時: 2011/09/24 20:46
名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)

No.7 「恨みとは時に凶器となる」


斗無に出会った次の夜・・・。
蝶はまた、自室の窓辺に居、空を見上げていた。
レオンは、蝶の自室の壁にもたれかかり、目を閉じていた。

レ「・・・良かったのか?あいつに助け用の蝶々を渡して?」
蝶「私にも分からないわ・・・。」

蝶は俯き、目を閉じた。
深く悩んでいる様子だった。

蝶「斗無さんが間違っていなければ・・・良いのだけれど」
レ「恨みってのは怖ぇからな」

そうね、と蝶はレオンを見た。
レオンはやはり面白そうに笑っていただけだった。
蝶はレオンの様子を見て悲しそうに笑うと、また空を見始めた。

————

斗「あっはははははぁぁああああ!!!!」

斗無はその頃、蝶から貰った竜胆色の蝶々で恨んでいる者を殺しているところだった。
その斗無の様子は、まるで狂った凶器のようだった。
斗無の周りには、蝶々の力を借りて倒した人の屍と、血の海が広がっていた。
今この場で殺した者は18人。
だが、総人数だと、もう軽く40人は超えているだろう。
その人との関係は、同級生だとか身近関係の者ばかりだった。

斗「笑っちゃうぜ。あぁ、気持ちーねぇ」

————

蝶「私達も・・・動くとしましょうか」
レ「そうだな・・・面白そうだ」

蝶とレオンは部屋を出て、一人目の家を見ようと道を歩いていた時、目の前に広がっていた光景に目を見張った。
昨日、斗無と出会った場所は屍と血の海だったからだ。

蝶「すごいわ・・・。彼の恨みは本物ね」

蝶は発した言葉にも笑いを浮かべていた。
レオンは屍の前まで歩いていくと、しゃがんで屍を1つ手にとった。

レ「美味そうだ」

レオンはちろっと蝶を見た。
すごくワクワクしている瞳だった。
蝶はすぐに察すと、瞳を閉じて言った。

蝶「食べても良いわよ?それ位なら魂もまだ完璧には抜けていないでしょう」
レ「ホントか!?じゃぁ喰うぞ!」

レオンは其処にあった屍を食べ始めた。
殺されてから5時間も経っていない屍で、喰うと血が吹き出る。
魂もまだ生きている時間だ。
レオンは血を顔に浴びながらも、屍を喰っていた。