ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒い蝶は闇に消える ( No.17 )
- 日時: 2011/10/08 21:49
- 名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)
No.8 「屍の山と蝶々」
蝶「・・・」
レオンが屍を喰っているのを見ながら、蝶は辺りを見回した。
斗無がまだ此処の辺りに居るのかもしれない。
血の臭いが辺り一面に広がっている。
今までレオンの前にあった15体の屍を全て喰ってしまった。
レ「まだまだ血の臭いが絶えないな」
蝶「全く・・・まだ食べる気なの?」
蝶はあきれながら問うた。
そしてレオンを横目に、また道を歩き始めた。
5分もしないうち、何処かからか、人の叫び声が聞こえてきた。
その叫び声と共に、狂ったような笑い声も聞こえてくる。
蝶とレオンは目を見合わせ、急いで声のする方向へと走った。
そして目にした光景とは———・・・。
蝶「なっ・・・!?」
其処には、手助けの蝶々を持った斗無と、大量の屍——屍の作った山があった。
斗無は狂ったような笑い声を出していた。
蝶「これは・・・」
斗「あ・・・。俺に手助けしてくれるっつった・・・黒泉・・蝶」
蝶「よく一晩の間でこれだけの人を殺せたわね」
蝶は斗無の横に並んで、血の海と屍を見た。
よく見ると、斗無の顔にも大量の血糊が付いていた。
斗無は歯を見せてくっくと笑っていた。
蝶の渡した竜胆色の蝶々は、そうとう斗無になついていた。
斗無の手に止まって、はたはたと羽を振っている。
その事を確認した蝶は瞼を閉じ、斗無に話しかけた。
蝶「此処に死んでいる人達は・・・全員貴方の恨む方なのよね?」
斗「そ〜に決まってんだろ!?俺は関係ねぇ奴は殺さねーよ」
蝶「なら・・・良いのだけれど」
蝶は手を屍に伸ばした。
その手には迷いがなく、目には力が入っていた。
蝶「今ここで、堂凛斗無により殺された者よ、お前達から頂く物は・・・お前達の魂なり」
レオンはニイと笑った。
斗無は、蝶の行動を見るとその場を去った。
これから斗無はまた、どれだけの人を殺すか分からない。
その数の楽しみもあり、蝶も笑って斗無を見送った。