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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒い蝶は闇に消える ( No.18 )
- 日時: 2011/10/30 20:49
- 名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)
No.9 「労咳の襲い掛かり」
堂凛斗無により殺された者の魂を手に入れた蝶は、一人屍の前にたたずんでいた。
後ろには、壁に寄りかかっているレオンが見えた。
屍を静かに見下ろしていた蝶だったが、急に顔をしかませた。
蝶「こほっ・・・けほっけほ・・・・」
蝶は更に咳が酷くなり、しゃがみこんでしまった。
手を当てて咳をしていたが、ようやく咳が治まって手を外して見ると、
蝶「・・・!」
手には沢山の血が付いていた。
蝶はその手をみて顔色を変えたが、懐から布を取り出して血を拭き取った。
レ「・・・またか?大分久し振りなようだが」
蝶「そうね、半年振り位よ・・・。もう慣れたつもりだったのだけれどね・・・。」
蝶はレオンに顔を見せた。
その顔は、悲しいような笑い顔だった。
蝶が咳き込んだ理由、それは【労咳の発作】だ。
幼い頃から労咳を持ち、咳をする度に血を吐いていた。
15歳になった今では、発作は更に酷くなってきていた。
レ「発作が始まったってことは・・・」
蝶「これからが辛い時期ね・・・」
蝶は発作が始まると、1ヶ月は続く可能性がある。
ピークとなると、吐く血の量も尋常じゃなくなってくる。
そんなことを考えながら、蝶とレオンは日が昇ろうとしている空を見上げた。
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