ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

黒い蝶は闇に消える ( No.2 )
日時: 2011/09/10 17:18
名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)

No.1 「彼女は恨みを持つ者の元へ」


あるボロアパートの一室。
黒髪で包帯をつけた彼女は、何をするまでもなく考えごとをしていた。
彼女の名は「黒泉 蝶」。
既に死んだと考えられている、労咳を持った女だ。
親に捨てられ、一人で生きてきた彼女は、人が嫌いだった。
まぁ、彼女も人といえば人なのだが。

蝶「楽しいことは・・・無いかしら・・・」

独り言を言ったその時、開け放たれた窓から、一匹の蝶が現れた。
その蝶は、澄んだ紺碧色の蝶だ。

蝶「あら。。。また私を必要としてくれる方がいるのね?」

紺碧色の蝶は、彼女の周りを3回回ると、小さな手紙となって消えた。
手紙には、沢山のことが書いてあった。
一人の人間の思いがここまで強かったことは初めてだ。

蝶「これは又・・・面白い依頼主様ね」

彼女は、少し肌蹴た着物を直し、早速依頼主のところにまで行った。
依頼主は、元気で活発な女の子だった。
小学校5年生程だろうか。足を怪我している。
名は、【宮弥 咲(みやみ さき)】。

蝶「咲さん・・・貴方の願い、叶えにきました」
咲「・・・!?誰・・・っ?」
蝶「私は黒泉蝶・・・。貴方、恨む方が居ますよね・・・?」
咲「・・・!」

咲の顔は、暗い顔だったが、途端に憎しみこもった顔で言った。

咲「あたし・・・許せない奴が居るの。あたしに怪我をさせた奴!こういう子なの」

咲は、クラス全員で撮った集合写真を蝶に見せた。
咲が犯人だと言い、恨みがあるのはこの人だ、と指差した。

咲「この子なの!あたしの親友だったんだ。」
蝶「では・・・何故この子だと思うのかしら?」
咲「あたしが怪我をした次の日、学校に行ったら明らかに態度がおかしかった!あたしを遠巻きに見て、笑ってた」
蝶「なるほどね・・・?では、この子に恨みをぶつけて良いと?」
咲「うん!あたしは・・・復習してやるんだ!」