ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

黒い蝶は闇に消える ( No.4 )
日時: 2011/09/12 08:46
名前: 璃亜 (ID: O72/xQMk)

No.3 「依頼完了」


その夜、由奈は救急車で運ばれて、咲の入院している病院に入った。
由奈が足を失った代わりに、咲は足の怪我が治った。
そして咲は次の日に退院することが出来た。

咲「ホントに治った・・・!痛くない・・・!!」

隣には、口に微笑を浮かべている蝶が居た。
咲はベットの隣に立ちながら目に涙を浮かべていた。

咲「ありがとう・・・蝶さん!」
蝶「いいえ。良かったわね・・・」
咲「お礼は・・」
蝶「いらないわ。気にしないでちょうだい」

咲は病院の前でもう1度蝶の手を握り礼を言い、去っていった。
すると、紺碧色の蝶が変わった手紙が蒼い炎を上げて燃えた。

蝶「今回も無事・・・依頼完了」

蝶はまた口に微笑を浮かべ、また部屋へ戻っていった。
部屋に戻ると蝶は、またいつもと同じ部屋の窓の隅に座った。
そして空を見上げた。
その瞳は冷たく燃えているようだった。
右側の瞳は既に使い物にならず、しばらく包帯も外していない。
ふと蝶は、包帯を取り窓の外へ出し、包帯を風にさらした。
すると包帯は蝶の手から離れ、ひらひらと空を飛び、蝶々となった。

蝶「・・・」

蝶の右瞳は紅黒く、濁った色だった。
だが時より、不思議な紋章が瞳に浮き上ってくる。
蝶は自分の右瞳を見て、軽くため息をついた・・・。