ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 境界線上の2人〜悲しき恋の物語〜 ( No.1 )
- 日時: 2011/09/20 21:29
- 名前: 将軍 (ID: W/J3Y1r6)
第1話
俺の名前は佐崎 竜司、桐谷高校2年だ、俺は目立ちたくも友達も欲しくない、
別れることが分かっているのに友達を作る馬鹿はいないだろう
俺の余命はあと1年と分かっている
だから俺は高校に入っても何もせずただ毎日に飽き飽きしながら生きていた、あの日までは
4時限目が終わり、昼休みだというときにクラスメイトの林さんが近づいてきた
「あの…佐崎君、今日の放課後…屋上に来てください」
俺は一瞬何を言われたか分からなくなった
……えっ? マジで? 何で俺なんかにこんな事言うんだ? 林と喋った事あったけ?
頭の思考回路をフルに活用したがこんな事言われる様な事をした覚えがないぞ
「あっ…あぁ」
上の空で返事をしたら
「来てくれるんですね! 放課後、屋上で待ってますから、必ず来てくださいね」
林はうれしそうな顔でスキップしながら自分の席に戻って行った
…能天気だなぁ
俺は昼飯である購買のパンを齧った
林はこのクラスでも人気がある、可愛いし感情も豊かだ、教師からの受けも良い……ただ少しアホだが
…放課後かぁ、返事もしてしまったから、行かないとなぁ、林を泣かせると絶対に悪い評判が立ってしまうからな
昼飯のパンを食べ終わり、包装紙をゴミ箱に捨ててから教室を出て、図書室に向かった
…昼休みは図書室で本を読むに限るなぁ
図書室に着き、手短に本を取り、席に座って読んでいると隣に誰か座った
「ヤッホー、佐崎君」
林が小さく声をかけてきた
「何で…此処にいるんだ?」
「えへへ、佐崎君に会いたかったからだよ」
無邪気な笑みを見せてくる
…どうして? そこまで俺を追いかけてくる?
佐崎は疑問を口にしたかったがやめた
「ねぇ、何の本を読んでるの?」
「……今の世界は腐ってる」
「うわー、佐崎君そんな難しそうな本読んでるの? すごいなぁ私なんて1行読んだら眠くなっちゃうのに」
…それはお前が馬鹿なだけだろ
そう言おうとしてが言葉を飲み込んだ
「…あっそ」
「佐崎君、冷たいなー」
笑いながら頬っぺたをプニプニしてきた
「…やめろ」
「イヤー、だって佐崎君の頬っぺたプニプニしてて気持ちいいんだもん」
えへへと笑いながら頬っぺたを突いてくる
…お子様(林)の相手は疲れるな
仕方なく説得を諦めて林の好きな様にさせていた、そのせいで読書は全くできずに昼休みが終わった