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Re: 境界線上の2人〜悲しき恋の物語〜 ( No.2 )
日時: 2011/09/29 23:06
名前: 将軍 (ID: W/J3Y1r6)

第2話
「この数式を……佐崎解いてみろ」
「はい…」
佐崎は席を立ち、黒板に書かれた数式を解いた
「これで良いですか?」
チョークを置き、数学教師の方を向いた
「あぁ、正解だ」
佐崎は席に戻って行った
…さっきから、何で林はこっちばかり見てくる、
数学が始まってから林はずっと佐崎の方を見ていた。
「じゃあ、次の問題を……林解いてみろ」
林は勢い良く立つと
「分かりません」
…やっぱりコイツは俺が思った通り馬鹿だった
「ったく、これぐらいの問題解けなくてどうする? いいか、説明するから聞いておけ」
数学の教師が黒板に数式の解説を書いていった

数学の授業が終わり、HRになった
「以上だ、気をつけて帰れよ」
連絡事項を伝え、担任が教室を出て行った
…屋上行かねーとな、どーせ、付き合って下さいとか罰ゲームで言わされてるだけだろう
佐崎はバックを持ち、渋々屋上に向かって歩いて行った

屋上に着くとそこには林がいた
「佐崎君…私と…付きあっ「お断りします
林が全て言い終わる前に佐崎が言った
「何で!? 佐崎君は私が嫌い?」
林がちょっと涙目になっていた
「いや…嫌いじゃないが…」
「なら私とつき合ってよ」
…面倒くせー、嫌いじゃなかったら付き合ってって、そんなんじゃ世の中カップルだらけじゃねーか
「俺みたいなのの何処が良いんだ?」
佐崎が疑問を口にした
「その……何て言うか…一目…惚れ」
顔を真っ赤にして頬に手を当てていた、佐崎も予想外の返事に戸惑った
「佐崎君は…嫌?」
上目遣いで見上げてきた
「……俺の余命はあと1年、俺は1年しか生きれない、だからほっといてくれ」
佐崎は真実を口にした
…この事を言えば諦めるだろう
「私は…それでも好きなの」
佐崎は予想外の答えに驚いた
…まぁ、コイツといると飽きなさそうだし良いか
「分かった、付き合ってあげる」
すると、林は目をキラキラさせて、佐崎の手を握った
「付き合ってくれるんだね、ヤッター」
佐崎の手を上下に激しく振り回した
「分かったから…離せ」
林が手を離すと
「ゴメン、クラブあるから行くね」
佐崎の方を向いて、手を合わせるとそのまま去ってしまった
「…折角付き合ったんだから…クラブ終わるの待って一緒に帰るか…確か吹奏楽部だったな」
林を見送って数分後、佐崎も屋上をあとにした