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Re: 境界線上の2人〜悲しき恋の物語〜 ( No.5 )
日時: 2011/10/02 22:17
名前: 将軍 (ID: W/J3Y1r6)

第4話
「ねぇ、今度の日曜日にデートしようよ」
昼休みに屋上で林が作ってきた弁当を食べながら(林が無理やり佐崎を屋上に連れてきたが)林がニコニコ顔で言った
「……はい?」
佐崎は間の抜けた返事をした
「だーかーらー、日曜日にデートしよって言ってるの」
佐崎の頬に指を押し付けた
「それは…分かるが…何故だ?」
自分の頬に押し付けられている指を払っていた
「佐崎君と二人っきりで居たいから」
ちょっと恥ずかしそうに顔を俯けていた
…くそっ、可愛いじゃねーか…って何思ってんだ俺
「…嫌?」
上目遣いで佐崎を見る
「わっ…分かった」
「本当! やったーー、じゃあ待ち合わせ場所は小百合駅前に朝10時でいい?」
「あぁ…小百合駅前に朝10時だな」
「うんっ、じゃあデートコース考えててね」
「俺が…か?」
「当たり前だよ〜。ちゃんと考えててね」
チャイムが鳴り、林と佐崎は教室に戻った
…ろくに友達と呼べる奴がいなかったから、遊びに行く事自体が初めてなんだがな、さてどうしよう?
佐崎は午後の授業はその事ばかりに気をとられて集中できなかった

「すまん…今日は…一緒に帰れない」
佐崎は林のところにいた
「うん、分かった。じゃあ今度の日曜日会おうね、忘れちゃダメだよ」
「あぁ…じゃあな」
佐崎は教室から出て行った

帰り道
「うーん…どうしたら…良いのだろうか?」
ふと目線に馴染みの本屋が見えた
「あそこの店長に…相談するか」
本屋に入っていった
「いらっしゃい佐崎君、今日はどんな本を探してるんだ?」
気さくな挨拶で店長が話しかけてきた
「実は…彼女が出来て…デートにはどこが良いか…相談したいんだが」
「それならな、まずは此処に行ったらいい」
そういうと佐崎に遊園地のチケットを渡した
「店長…いいのか?」
「いいさ、いつも本を買ってくれてるお礼だ、その代わりデート、しっかり成功させろよ」
笑いながら佐崎の肩をバンバン叩いていた

自宅
「どんな服が…あったけ?」
部屋のタンスをひっくり返すように服を探していた
「日曜日…か」

学校
「へへっ、早く来ないかな、日曜日」
「先輩どうしたんですか? 顔が緩んでいますけど…」
山下が心配そうな顔をしていた
「ううん、何でもない、何でもない」
笑顔で繰り返していた
「そうですか? ならいいですけど…」
渋々といった顔だった
「日曜日かぁ」
里香は眠れない夜を日曜日まで過ごす事となった