ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: crazy diary ( No.1 )
- 日時: 2011/09/20 19:13
- 名前: hei (ID: Fa1GbuJU)
俺の住むこの街は一見普通に思える。
しかし、俺はこの町の他には無い異常性を知っている。
何故なら、自分もその異常性を生んでいる一人だからだ。
(・・・何処だ・・・。距離的には遠くないが・・・。)
この街には世間一般で言う所のサイキック、超能力者が存在する。
俺もその一人で、「他の能力者の存在と能力の使用の感知」が出来る。
・・・らしい。
(人から教えてもらって初めて自覚したからな・・・)
思い出にふけってボーッとしていると、突然背中を強く叩かれた。
「恭一!遅れるよ!?」
(またこの女か・・・)
心の中でため息を吐く。それほどに最近は面倒臭くなってきた。
俺の隣にいる女は市川春美といい、俺のクラスメイトだ。
それほど俺と親しい訳でもないのに俺に絡んでくる。
「だからさ、何で俺のこと名前で呼ぶの?やめろって言ってんのに」
いつも通りそっけなく返答するのだが、
「え、別にいいじゃん、恭一に敬称とか使うのもったいないし」
「別に様とか殿とかつけなくていいけどさ、名前はやめてくんねえ?
なんか馴れ馴れしいし・・・って聞いてるかお前?」
反論をするのだがこの女は全く聞いていない様だ。殴りたい。
この女は何故かいつもこういう態度を取る。
(他の男友達には普通に苗字で話してるのになあ・・・、何でだろ?)
そこまで考えて、マジで遅刻しそうだということに気付く。
「うわ!もう5分で遅刻かよ!?あの女今日は許さねえぞ!」
朝は余裕を持って家を出たのに、教室に着いた時には担任が入ってくる
十秒前。あの女が後ろの席で笑っているのを見て、今更ながら俺はどうしてこんなに対人関係で苦労しなければならないのかと落ち込んでしまう。
そんなこんなで一時間目が始まるころには、登校時の能力者の一件は
すっかり忘れてしまっていた。
次にそれを思い出すのは、下校の道中の事となる。