ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 人生ゲームはデスゲーム 【二章が終了しやした】 ( No.18 )
日時: 2011/10/08 22:53
名前: No315 (ID: vBUPhhME)

第三章「真実は裏側に Darkness Truth」


二〇三四年 六月七日
東京都 新宿 西新宿総合病院

「……雨原君!」

「……え? あ、はい!」

二つの声が、病院のロビー内で、『病院内では静かにする』という一般常識ルールをいとも簡単に破る。
一人は奏神高校そうじんこうこうの制服を着、髪を短めに整えた学生、雨原翔あめはらしょう
もう一人は、翔の親友、篠崎紅架しのざきこうかの母親である篠崎稔しのざきみのり

「どうしたの? 雨原君。なんかぼ〜っとしていたけど」

「あ、いや、なんでもないです。少し考え事をしていただけです」

翔は弱弱しく笑いながら稔に答える。だがその顔は少し青くなっており、なんでもないというふうには見えない。稔はそれに気づいていたがあえて追及することはなく「そう」とだけ言い、翔の向かいの席に座る。
翔がどうしてこんなに弱弱しい表情になっているかと言うと、一人考え事をしている内に『あの光景』が浮かんできたからだ。