ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: みんなで短編ホラー小説対決【参加者&審査員募集中】 ( No.43 )
- 日時: 2011/10/10 22:11
- 名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)
お題;ペットショップ。
「あ、あの猫欲しい!みーくん、飼っても良い?」
「あぁ、別にいいよ。」
優しそうな笑顔の大学生くらいの男(みーくんという名前でした)と女はクリスマスの夜に私を迎えに来ました、そしてペットショップの店員さんといろんな話をしてから私をゲージから持ってきて女と男に撫でられると女に抱きかかえられてペットショップとは違う場所へとたどり着きました。
どうやら私は『クリスマスプレゼント』というもののようで女はとても喜んでいました、そして・・・
「ねぇ、この猫の名前さ、何が良いと思う?」
「うーん、『エトワール』はどう?」
「え、とわーる?」
「うん、どっかの言葉で『星』っていうらしい。」
「・・・それすごく良い名前!よし、今日からお前はエトワールだよー」
男は愛想がよくて女はとても優しそうでした、私のことをとてもかわいがってくれてそのうち色んなことが私にも分かってきました
男の名前はみーくんではなく、『みつる』・・・女の名前は『れいん』・・・二人は恋人同士で来年には結婚しようと思っている・・・私はとっても大切な家族の一人・・・
しかし、それはただの幻想の偽りでした。
いつのまにか、れいんの体にはたくさんの痣と傷が出来ていてみつるは最近私とれいんに暴力を振るようになりました、それでもれいんは必死に生きていました・・・
就職が出来ないみつるのかわりに懸命に働いてお金も稼いで・・・
でも私は何もすることが出来なかった。
そして・・・窓ガラスにひびが入って金属のようなものを持ったみつるは私に向かってそれを振り上げました、すると・・・
「やめて!エトワールが・・・っ!」
「うるさい、黙れっ!」
私をかばってくれた優しいれいんは動かなくなりました、そして私は変な薬を飲まされて・・・れいんのように動けなくなりました
そして、れいんと共に私は何処か違う場所へと置いていかれました。
れいんは動かないまま、目をつむったまま起き上がりません
私は何もすることが出来ませんでしたが何かしようとして起き上がりました。すると、れいんは半分だけ目を開けたのです
私がれいんの頬を舐めてあげるとれいんは優しく笑ってくれます、そして私にこう言いました
「みつるの復讐・・・して・・・」
そのままれいんは起き上がりませんでした、5日経っても起き上がらなかったので私は別の場所へと歩き始めましたが薬のせいでしょうか、走っているときの意識はほとんどありませんでしたが不思議な場所へとたどり着きました
あのペットショップ・・・のあった場所です、私は何度か二人と一緒に連れて行ってもらいましたがどうやらシャッターで塞がれているようです
とりあえずシャッターの前で止まっていると一人の少女が私を見ました
でも、私は普段のように逃げられません
「あらぁ、アンタ・・・誰かの怨念持ってるわねぇ。
さぁ、アタシにつかまって。怨念、みてあげるから」
少女の肩に乗せられた私は深い森の奥へと入ってきます、そしてたどり着いた場所は小さな神社でした
少女は怨念というものをみるためによく目を凝らして私の目を見つめました、そして私の頭を撫でると・・・
少女は私を人間の姿にしてくれました。
「あらぁ、結構イケメンねぇ。
エトワールさん、貴方の力でみつるさんに復讐しなさい。
これをあげるから」
私は何もいえないまま受け取るとそれは小さな薬のようなものでした、私はそれを飲むと急に力がみなぎってきました
少女はそれにクスクスと笑って、私を神社の外まで送ってくれました
けれども一応私は聞いておきたいことがありました
「貴方の名前は・・・なんでしょうか?」
「うふふ、アタシの名前は『ムラサキ』っていうのよぉ。
まぁ、また会えることを楽しみにしておくわぁ」
きゃははっと声を上げて笑うとムラサキさんは手を振ってくれました、私はそのまま見えなくなるまで手を振るとすぐに走り出しました・・・
あの男(みつる)がいる場所まで。
みつるはあの家にまだいて、ガラスの修理を電話で頼んでいました
私は気づかないようにそっと家に近づいて・・・
—バリーン、ガッシャーン!!
そんな音でガラスを割って入ってくる私にみつるは驚いて電話を切ってしまいました
「お前は・・・誰だっ!!」
「赦さない、絶対に赦さないよ・・・みつるのこと」
その言葉にはっとしたのかどうかは分からないけれどもみつるは私に蹴りかかってきましたが、すぐにその蹴ろうとした足を押さえつけるとポキッという軽い音と共に骨を折りました
そして、動けなくなった瞬間に私はあの金属のようなものを取り出すとそのままみつるに向かって叩きつけるようにした。
「・・・誰・・・だ・・・お前は・・・」
「私はエトワール、れいんが頼んだから私が代わりに君をころしにきた。」
「・・・いん・・・。」
小声でれいんと呼んだみつるはそのまま動かなくなりました、私はそのまま猫の姿に戻ることが出来ました
しかし・・・あまりにも大きな力を使ったからか急にふらふらしてきました、もうすぐ私もれいんと同じような場所へ行くようです。
あぁ、さようなら。
—神社
一人の少女が水晶玉からエトワールの様子を見ていたが、そのまま水晶玉を床へと投げつけて割る。
「あらぁ、猫って怖いわねぇ。
貴方も気をつけたほうが良いわよ、猫の恨みは恐ろしいのよぉ。
ま、いいわ。貴方もすでに—・・・」
『にゃあああああっ』
「恨みを持たれているかもしれないからねっ、きゃはははは!!」
あとがきー。
色んなネタを色んなところから引っ張り出しました、ペットショップはほとんど背景的なもので出てきているだけですが大丈夫でしょうか?
審査お願いします。