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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ESCAPE 独りになるまで終わらない(キャラ募集) ( No.16 )
- 日時: 2011/10/08 23:55
- 名前: Rlcssa (ID: L.7ldCZ1)
Lv.(レベル)1「作動」
201X年10月21日 修学旅行中の小学生のバス内にて
帆「——あのさー」
バスの中で、帆がぽつりと言った。
帆「何で修学旅行の行くところが変わった?」
利夏「あのな……」
それに答えたのは利夏だ。
利夏「お前人の話を聞いてなかっただろ…」
帆「へ?」
利夏「もともと行くところがすごい大雨で中止になって、それでこっちに変わったって何回も言っただろ?」
帆「そうだったかな」
利夏「おいおい…」
ムジ「ねえ…」
利夏のとなりから、ムジが声をかける。
利夏「何だ」
ムジ「周りがこっち見てるんだけど…」
利夏「んなの無視すればいいだろ?バカだなぁ…」
帆「……バカは少し余計じゃあ…」
利夏「うるさいから、帆は黙ってろ」
中原 帆(なかはら かい)、渡部 利夏(わたなべ りか)
哀原 ムジ(あいはら むじ)。
少し気まずいような関係に見えるが、根は仲のいい三人組だ。
今日、帆達は修学旅行の一日目。バスでグループごとに別れての行動だ。
帆と利夏とムジは、そのグループの中の班。他にもいくつか班があり、
だいたい3〜6人でまとまっている。
利夏「まだ着かねえのかよ…」
ムジ「しょうがないよ…駅から遠いからってあれ?駅を出てから5分ぐらいしか経ってないけど」
利夏「待てねえんだよ」
帆「もう少し待ったほうが…あともう5分ぐらいで着くと思うから」
利夏は‘ふん’といった表情でバスの外を見た。
一瞬、笑顔がこぼれたのは、帆もムジも分かっていた。
それにつられて、帆もムジも表情がやわらぐ。
そして利夏と同じく、バスの外を見た。
この笑顔が、もう少しで消えることになるとも知らずに。
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