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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ESCAPE 独りになるまで終わらない(キャラ募集) ( No.21 )
- 日時: 2011/10/10 17:31
- 名前: Rlcssha (ID: L.7ldCZ1)
段々と山の中に入っていく。
それは小学生を乗せている方でも同じだった。
利夏「あれ…さっきと道が全然違うような…」
ムジ「さっきまで結構建物あったのに…なくなってきたね」
帆「もしかして…運転手が道間違えた…とか?」
利夏「バカだなぁ…そんなわけねえだろ?」
利夏が、少し強めに言う。
なぜこんなに大声を出しても注意されないかというと、今、このバスには先生がいない。調子が悪いと言った人が一人いたので、その人と先生は遅れてくるようだ。
中学生の方のバスは、先生はちゃんといるのだが。
その中学生の方のバスは、少しざわついていた。
「この道は正しいのか」
「もしかして間違えているのか」
という声が飛び交う。
ついにそのバスにいた先生、樫田 原章(かしだ はらゆき)は運転手に向かって言った。
原章「本当にこの道でいいのか?」
運転手はこくりとうなずいた。
運転手A「大丈夫ですよ。さっきの渋滞(じゅうたい)で時間をくってしまったので、ちょっと近道です。あのまま渋滞の中を行くよりはいいでしょう」
と、まるで機械の声のようにすらりと言った。
先生は、「なんかなぁ…」と、納得のいかないといった様子だった。
小学生の方もざわついてはいたのだが、誰も運転手に訊く勇気がなかった。
むしろ、誰か言えよ、といった感じだった。
その運転手はというと…
運転手B「ご、ごめんなさい…」
と一言、つぶやいているだけだった。
もちろん、みんなには聞こえていない。
—そんな不安の空気がたちこめる中、二台のバスは、ゲームの舞台へと進んでいた。
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