ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 月と復讐とチャットルーム ( No.10 )
日時: 2011/10/21 13:15
名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)

2.不安のうずく胸

「…そういえば、どうしたの、望美ちゃん。今日、元気ないよ?」

「え、そう?」

真夜からの問いをはぐらかしながら、望美は不安な気持ちを抑えることができなかった。

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FULLMOON>復讐?

NEWMOON>ああ、10年前に沿って、僕たちもやってみないか?


朔矢の言葉に、望美は凍りついた。


FULLMOON>本気なの?

NEWMOON>ああ。でも僕らのキーワードは「REVENGE」じゃないよ。

FULLMOON>何?

NEWMOON>REFRAIN…音楽で、「繰り返し」という意味さ。

FULLMOON>…人を、殺すの?

NEWMOON>母さんと父さんをあんなにめちゃめちゃにした挙句、殺したあの「遺族」達をね。

FULLMOON>…嫌。人を殺すなんて、できないよ…。

NEWMOON>望美は心配しなくていい。もし仮に失敗しても、犯人は僕だけ、ということになるから。

FULLMOON>どういうこと?

NEWMOON>さあ、どういうことだろうね?詳しくは、ここでじゃなくて、直接話したい。明日の午後、暇かな?

FULLMOON>会えるの?

NEWMOON>ああ。望美はT大学に通っているんだよね。じゃあ、T大学駅前の「MOON」っていう喫茶店に、2時でどう?

FULLMOON>うん、分かった。

NEWMOON>じゃあ、明日。

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「…何でもないよ。」

そう言って、望美は真夜に笑いかけた。

その笑顔の下には、不安の影がよぎっていた。