ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 月と復讐とチャットルーム ( No.12 )
日時: 2011/10/23 11:32
名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)

4.青文字の七人

望美が席についてから、朔矢はコーヒーを、望美は紅茶を注文した。

「望美、変わってないね。」

ほほ笑みながら言う朔矢。その顔は、殺人を犯そうとしているようにはとても思えなかった。

「…本当に、するつもりなの?」

望美はうつむき、固い声で聞いた。

「ああ、望美はどうだい?したくないの?」

「…したい。したいけど、でも…。」

そこまで言ってから、望美は心の中で苦笑した。しっかり、兄は周りの人にばれないように「復讐」とか「殺人」といった言葉は避けているのだ。

「大丈夫。昨日も言ったように、万が一のことがあっても望美は大丈夫だ。僕が1人で責任を負うよ。」

「どうして、二人じゃなきゃいけないの?一人でもできるでしょう?」

「ああ、まあね。でも、どうせなら二人でやりたいんだ。陸斗さんと江梨子さんのために。」

朔矢がそう言った時、ウェイトレスが飲み物を運んできた。

「…さて、と。」

ウェイトレスが去ってしまってから、朔矢は大きな茶封筒を取り出した。

「この中の紙に、例の人たちの情報が書いてある。」

例の人…、被害者たち。

望美は震える指で、紙を取り出し、目を移した。

そこには青文字で、七人の名前が、黒文字で、七人の情報が、記されていた…。