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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 月と復讐とチャットルーム ( No.18 )
- 日時: 2011/11/06 15:02
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
第三章「満月は赤く染まる」
1.10年前の復讐劇
「…何なんだ、これは。」
朋崎 隼人は目の前の光景に顔をしかめた。
被害者の篠原麻衣の遺体の回収後。二階で、朋崎は妙なものを目にした。
二階には仏壇があり、男性の写真が飾ってあった。その写真を塗りつぶすかのように、血文字が書いてあった。
「R」
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「…かぶるな、10年前のあの事件に。」
「ええ…そうですね。」
朋崎は部下の滝 亮介と話し込んでいた。
「あの血文字は、筆で書かれたもののようです。残念ながらその筆は見つかりませんでした。おそらく、犯人が持ち去ったのだと思われます。」
「…ったく、頭の回る犯人だ。どこにも指紋が残ってないもんなあ…。」
「…「R」ですか。でも、被害者の篠原さんには「R」の文字はありませんよ?しいて言うなら、しのはらの「ら」のRですか…?」
「もしかしたら犯人をしめすダイイングメッセージかとも考えたんだが…血の跡があの仏壇の前には無い。おそらく、違うだろうな。」
「ええ…。」
二人の会話は、そこで途切れた。
「…10年前のあの事件が、再び繰り返されるのかなあ…。」
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…10年前…
荒木 優太という会社員が連続殺人事件を起こした。
彼はHACの飛行機墜落事故で息子を亡くし、その恨みからHACの社員やその家族を殺していった。
全部で7人殺したところで、荒木は自首し、逮捕された。
彼に殺された人物の名前の頭文字を並べると、こんな言葉が浮かび上がる。
「REVENGE(復讐)」
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