ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 月と復讐とチャットルーム ( No.33 )
日時: 2011/12/17 14:21
名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)

松岡修造さん、コメ、ありがとうございます!!

私はちょっと休日にしか更新できないので、更新が少ないのは勘弁してください…(涙)

でも、応援してくださるのはとてもうれしいです!!がんばるぞ!!

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第四章 殺人者の表情

1.新月の手口

「…なるほどな、そういうことか。」

朋崎は少し感心しながらうなづいた。

篠原 麻衣の遺体回収後、近隣住民からの情報をもとに、朋崎は犯人の手口を突き止めたのだ。

犯人は、宅配便の宅配員として篠原宅に侵入。重い荷物を二階まで運び、そして麻衣を前にして階段を降り、降りている途中で麻衣を包丁で刺した。階段を転がり落ちた麻衣を再び刺して殺し、持参の筆をその血に浸し、二階に上がって仏壇の写真に「R」と書いた。その後、風呂場で身体を洗い、手袋か何かをした手でクローゼットをあさり、麻衣に扮装した。血の付いた宅配員の制服や包丁、手袋などを麻衣のバッグに詰め込み、篠原宅から逃走…。

「…ったく、これじゃあ手がかりがつかめやしない。加害者候補だって、その時間に全員アリバイがあるしな…。」

そう、朋崎が首をひねっていた、その時。

「…朋崎さん!!大変です!!」

部下の滝が、あわてた様子で部屋に入ってきた。

「どうした?なにか事件か?俺はこの間の殺人事件について…」

「それにも関係あるんです!!S高校の文化祭で、殺人事件が起きたんですよ!!事件現場には、血文字で「E」と書かれているらしいんです!!」

「何…?「E」!?」


「R」「E」


10年前の事件の、最初の二文字。

それが再び、最初の二文字として現れた。

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S高校文化祭は騒然としていた。

ざわめき、泣き声。そのなかを、朋崎と滝は歩いて行った。

事件現場であるS高校の理事長室に入ると、そこにはS高校理事長、西村 健輔が横たわっていた。

床に広がる、血の海。口いっぱいに詰められた紙くず。

そして、理事長室の机には、血文字で「E」と書かれていた。

その横には、血でS高校の校章の楓が書かれている。

時間がたって茶色っぽく変色した血の楓は、まるで、命を失った枯れ葉のように見えた…。