ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 月と復讐とチャットルーム ( No.46 )
- 日時: 2012/01/06 10:17
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
2.
「望美〜どうしよ〜う…」
「どうしたの?」
「音声レコーダーが壊れた…」
T大学のラウンジで、朝乃が泣きまねをしながら望美に話しかけてきた。
「うわ…やばいよ、それ。授業聞けないじゃん。」
「頼む!!あとでパソコンに送ってくれない?さっきの授業内容…。」
「わかった。送っとくね。」
大学の授業は教授がベラベラしゃべるだけなので、ノートに書き写す時間がない。そのため、多くの大学生は音声レコーダーを使ったり、パソコンに即座に打ち込んだりしている。
朝乃は音声レコーダー派、望美はパソコン派だ。
「ありがとう、助かった…。」
朝乃はニコッと笑う。西村理事長が亡くなってから元気がなかったが、最近は笑顔を見せるようになってきた。
「どういたしまして。」
望美もニコッと笑う。
「じゃ、私、今日は用事があるから、帰るね。」
お弁当を片づけて、望美は席を立った。
「うん、わかった。じゃね!!」
「ばいばい。」
朝乃に手を振りながら、望美はラウンジを出た。
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T大学駅から、普段とは違う電車に乗る。車内は空いていた。
椅子に座って、望美はノートパソコンを開いた。インターネットを開き、とある文字列を入力する。
「wgvgfgfhhlf」
検索をかけてみると、一件だけ、表示された。
「wgvgfgfhhlf」
意味不明のタイトルのチャットルーム。クリックすると、「暗証番号を入力してください」の文字。
「****」
「ようこそ」
ちゃんと朔矢は待っていた。
FULLMOON>お待たせ。
NEWMOON>お待ちしておりました(笑)
FULLMOON>これから行ってきます。
NEWMOON>そうか。早すぎない?まだ夕方だよ。
FULLMOON>だってT大学駅からKU駅までは時間がかかるんだもん。それに、早めに行っていた方がいいと思うし。
NEWMOON>う〜ん…そうだね。ま、気をつけて。
FULLMOON>ラジャー(・▽・)