ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 月と復讐とチャットルーム ( No.62 )
日時: 2012/02/09 10:39
名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)

7.題名未定

望美に再会する6年前。朔矢は、大学に入学した。そこで、香織と知り会った。

同じサークルで、同い年。しかし学部は違っていたので、あまり話す機会はなかった。

が、ある日。香織と同じ学部の友人から、こんな話を聞いた。


「内海の姉さん、4年前のHACの飛行機事故で亡くなったんだって。」


それを聞いた時だった。朔矢の中に恐ろしく大きな復讐心が芽生えたのは。

…それから朔矢は、香織に近づき始めた。

サークルで頻繁に話しかけ、親しくなる。そして、確かに香織の姉があの事故で亡くなったことを知った。

朔矢は香織との仲を深めつつ、あの事故について調べだした。

亡くなった人間と、その遺族について情報をあつめ、そして計画を練った。

そして…計画を完全にたて終わったのは、大学を卒業する頃だった。その頃、朔矢と香織は付き合っていた。

朔矢は妹…望美に連絡をとろうとしていた。が、父方の祖父母も、母方の祖父母も、もう亡くなっていた。そのために、朔矢は望美の居場所を知ることができなかった。

最初は、全て一人でやろうかとも考えた。が、朔矢には望美が必要だった。きっと一人では、心が折れてしまう。心が折れないために、確実に復讐を成功させるために、朔矢は望美を探し始めた。

再び、情報集めに朔矢は没頭し始めた。親戚中を訪ねて回り、望美の学校中を回り…大変な作業だった。

どうにか居場所を捜しあて、パソコンのアドレスを知ると、もう朔矢は待てなかった。

二人だけのチャットルームを立ち上げ、パソコンにメールを送り、望美と10年ぶりにコンタクトした。

その時の達成感と言ったら、なかった。