ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 月と復讐とチャットルーム【参照300超えしました!!】 ( No.68 )
- 日時: 2012/03/08 13:35
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
3.
「…はぁ。」
滝 亮介はため息をついてベッドに寝転がった。
いつになったら終わるのだろう。あの復讐劇は。
復讐が復讐を呼んだ。なら、この復讐劇に対しても、また復讐劇が起こるのだろうか…。
『気をつけろよ、滝。お前だって…。』
数時間前、朋崎に言われた言葉。それに対して、滝はこう返した。
『僕は滝一郎の孫です。祖父の血をついでます。そうヤワじゃありませんよ。』
滝の祖父、一郎は現役時代はやり手の刑事だった。一郎は警察内ではけっこう有名で、朋崎もまた、彼を崇拝していた一人だったのだ。
滝はぼんやりと天井を見上げる。祖父の顔を思い出し、滝は祈った。
「…俺に…奴らを捕まえさせてくれ。」
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「望美ちゃん。」
「うわっ!?」
T大学駅のプラットホーム。急に肩を叩かれてふりむくと、真夜がいた。
「真夜君…。」
「びっくりさせちゃった?ごめん。そういえば朝乃は?」
「朝乃、お手洗いに行ってるんだけど…。あ、来た来た。」
朝乃があわてたように駆け降りてくるのが見えた。
「あれ、真夜?」
朝乃が息を切らせて訪ねてくる。
「偶然会って。」
「ふーん。じゃ、久しぶりに3人で帰ろうよ!!」
朝乃がそう言った時、ホームに電車がやってきた。
3人で乗り込み、あいている席に座る。
「そういえばさ…。」
朝乃が言いにくそうに切り出した。
「何?」
望美は首をかしげる。何か用だろうか。
「…望美、この間、反対側の電車に乗ってなかった?」
「…え?」
答えてから、しまったと思った。一拍空いてしまった…。
望美は必死で平静さを装う。
「乗ってないよ?」
「そうか〜…やっぱり見間違いだったのかな。」
そう言って、朝乃は口をつぐんだ。
波打っていた脈が、少しづつひいていく。
ふいに、望美の頭をこんな疑問がかすめた。
…あと2人を殺しきるまでに、朝乃と真夜君に隠しきれるだろうか?