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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 月と復讐とチャットルーム【参照400超え!!返信70突破!】 ( No.76 )
- 日時: 2012/03/29 10:21
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
2.
「…っはあ。」
パソコンをシャットダウンし、朔矢は大きな音を立てて椅子から立ち上がった。
どうすればいい。
どうすればいい?
どうすればいい!
朔矢は机につっぷし、頭を抱えた。
こんなはずじゃなかった。こんなはずじゃ…。
朔矢は顔をあげる。そして、部屋に二つある箪笥のうち、古いもののほうへ向かった。
引出しをあけると、鉄臭いにおいが広がる。中にはかすかに血がこびりついた刃物や、変装道具。これまでの復讐で使ってきたものだ。
そのなかから、朔矢は刃物を取り上げる。この刃物は、何種類の血で汚れてきたのか。もう、忘れてしまった。
この刃物は、もう一種類の血で汚れる。
最後の復讐相手…その名前を、朔矢は頭の中で読んでみた。
「木下晃」
ごく普通の会社員だ。殺すのはそう難しくないだろう。
朔矢は考えを巡らせる。どうやって殺そうか…。
…ふと、気付いた。
こうやって殺人のことを考えていれば、頭を悩ませていることなどどこかに吹き飛んでしまうのだと。自分は殺人に打ち込めば、悩みなど感じない体質になってしまったらしい。殺人犯は、誰しもこういう感情を持つものなのだろうか。
望美はよくやった。彼女のノルマ、3人を殺した。次は僕のノルマ、4人を達成する時だ。
「R」「E」「F」「R」「A」「I」
「N」
さあ、そろえようじゃないか。
最後のピースを、埋めようじゃないか。
音楽で、繰り返しと言う意味の言葉、REFRAIN。
復讐は、どこかで終止符が打たれない限り、終わることはない。
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