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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 月と復讐とチャットルーム【参照500超え!!返信80突破!】 ( No.85 )
- 日時: 2012/05/06 10:22
- 名前: 久蘭 (ID: uWXzIoXb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
2
「朔矢!朔矢っ!!」
「望美…。」
「何でよ!一緒だって…一緒だって言ったじゃない!嘘つき…嘘つき…!!!!」
「…!」
目を覚ますと、視界には知らない天井がうつっていた。
どこかの部屋で寝ているらしい。部屋は薄暗く、かすかに鉄の香りがした。
軽く呻きながら身体を起こすと、そこが狭い部屋であることが分かった。
すぐそこにベランダに通じる窓があり、高い高層ビルが遠くに見える。どうやら、マンションの一室らしい。
寝かされていた布団から起き上がると、望美はぼんやり記憶をたどった。
知らない通りを歩いていた。それは記憶にある。そして…それから…。
道路が近づいてきて。目の前がアスファルトでいっぱいになり。それから、真っ暗に…。
「…気がついた?」
ふいに声がして、望美ははっとドアの方を見た。
パチリ。部屋の電気がつく。ドアのところに、コップを持ってたたずむ青年。
束の間、あの頃の朔矢が時間を飛び越えてきたような、変な感覚に襲われた。
でも…違う。目の前にいるのは…。
25歳の…10年後の…朔矢だった。
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