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８．脱帽だ

「…脱帽だ。」

物陰でかすかにつぶやき、朔矢はその場を去った。

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扉が開く音がして、朔矢は目を覚ました。

ぼんやりとした視界の先に映ったコートの裾を見て…飛び起きた。

望美が出て行ったのだ…と気づいた瞬間、全身を悪寒が走った。


…何をするつもりだ。望美。


自首か、自殺か…全身に冷や汗をかく。

止めなくては。

あわてて服を着こむと、朔矢はあわてて、望美の後を追った。

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そうして追いかけてきたはいいものの、望美の乗った電車に目の前で行かれた時は、絶望感に襲われた。

ただ…この電車ということは…行き先の見当はついていた。

そこに行くということは…自殺するつもりか、望美。

焦る。望美、やめろ。

次の電車が来るまでの時間が、永遠に思えた。早く、早く、早く…!!

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ついてみると、そこには望美と、もう一人の青年。瞬間、あの写真の青年だとわかった。

静かな町。望美と彼の声は、かすかに聞こえた。

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「脱帽だよ。」

もう一度つぶやく。

REFRAINの意味を…僕すら意識していなかった意味を…解き明かしてくれるなんて。

















…なにかが、朔矢の中ではじけ、溶けて流れていった…。