ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ——…黒い虚空の傷は深く 「オリキャラ募集」 ( No.12 )
- 日時: 2011/10/08 10:33
- 名前: 琉架 (ID: MnBE3vuR)
...2話「消える生徒」...
「ちょ、ユキ、開かないってどーゆーコト?」
「知らないよ、私が知るわけ無いじゃない」
「それじゃ、アヤ達閉じ込められちゃった?」
小雪は沈んだ顔で頷いた
しかし宇居はそれを否定し
「まだ閉じ込められた、と確定するのは難しい、他にもまわってみよう」
そして教室のある2階へと進んだ
その時、上の階から悲鳴が聞こえた
高く、それでいて震えた声
「きゃあああああああああああああああああっ」
3人は足を速めた
声の聞こえた教室へと、足を速めた
悲鳴の聞こえた教室は1年2組
教室は目を疑うほど恐ろしい光景だった
あの数秒間で、1年2組は地獄へと変貌していた
「これ、全部、血?」
彩が震えた声で聞く
宇居は赤い液体を触ってみる
どろ…とした嫌な感覚、鉄のにおい
宇居は思う
「ああ、ここの生徒は皆死んだんだ」
「血、だ………」
「そん、な…」
またも悲鳴が聞こえる
隣の教室からだ
小雪は耐えれなくなったようで目を瞑り、耳を塞いだ
しかし、次々と聞こえる悲鳴と血が飛び散る音や、人が潰れる音が、小雪の耳には入ってきた
「やめて、やめて、なんなの…なんなのよ!!!」
「小雪!!」
凛とした声が廊下へと響いた
声の主は「櫻木 愛」、
学校一の秀才と言っても、過言ではない程だ
「小雪、大丈夫だ、とにかく5組に入ろう、何故だか知らないが3年だけは皆生きている」
「ほ、ホント?」
その言葉を信じたのか、少し、小雪の顔は揺らいだ
「サクラギ、本当に3年だけ生きてんの?」
「ああ、遠子も居る」
「遠子さんも?」
「ついて来い、あまり離れると少しこちらも、あれだからな」
少し顔に曇りが見えた
5組は廊下の突き当たりに有る
「小雪、大丈夫?」
あまり動揺の色を見せない少女、「立木 遠子」
彩や宇居とは初めて同じクラスになったにも関わらず、すぐ仲良くなった女生徒だ
「……愛、さっき話した事、教えてあげて」
「遠子、分かった」
少し間を置いて愛は話した
「ここは多分、今まで私達が居た世界ではない
そしてここを作った創造主は明らかに、3年の人間を殺していない
それは3年の人間がここの創造主にとって必要な人間だから
………多分だが、多分、3年でも死ぬ人間は居るだろう
私の考えた仮定で言えば最後の一人以外生き残れない、それ以外は死ぬだろう」
「はあ!?サクラギ、それ、どうゆう意味よ!!」
「私達が死ぬこと前提で、の仮説だ
それに私の思ったこと、それがあってるかどうかは私も分からない」
「…………っ」
「でも私は全員で助かりたい、そう思ってる」
彩もそう思った「皆で助かりたい」……沈黙が訪れた