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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 消失病 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/06 17:14
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: QwdVpVQe)
消失病。 正式名称、Disappearance・Sick。
力を手にした人間が、力を使いすぎたときに発病する。 病名とされているが、正しくは現象。
実際は病気では無い。
数千年前、人類は特殊な力。 異能力を手にした。
力は元々持ちえた科学と相まって、発展を遂げ、殺し合い、その殆どの民族が滅んだ。
人類の最盛期。 その人口は90億を超え、問題になるほどだった。 だが、今やその人口も30億人居るかどうかと言われている。
人間の消え去った理由。 それは核戦争でもなく、殺し合いでもない。
戦争は、起こった。
だが、その戦争で死んだ人間などほんの一握りだっただろう。
何故なら人類は、消えたのだ。 力を使いすぎたことによる、後退。
魔力と言う毒を、力として。
魔力と言うものは元来、人類にとって毒となる性質が存在する。
体内に持つ僅かなその魔力を大気に吐き出すことにより、人類の能力は発現されていた。 一見、それは毒を吐き出しているようだが、実際は吐き出すことが問題なのではない。
人類の創り上げた、人体に蓄積しやすい魔力。
その魔力が、人体に蓄積され、許容を越えた直後。
その人間は、消失する。
衣服を残し、体が透ける。 そして、5秒足らずでその場から。
痛みを感じることなく消え失せるのだ。 とうの本人は、気付かない。
気付けば、あの世。
その時見る景色は決まって、黒い世界に聳え建つ、真紅の塔。 そしてそこから、『金色の何か』が、自分を見下ろしているのだ。
頂上に金塊があるのか。 はたまた……別の何かなのか。
それを知る者は、誰もいないとされている。
ただ一人を除いて。
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