ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: RPGごっこ 【オリキャラ募集中!】 ( No.37 )
- 日時: 2011/10/21 07:41
- 名前: 更紗蓮華 (ID: 9uhgIwvd)
その後、あたしと橋本は付き合うことになった。というか、断る理由もなかったし。
周りの女子たちの視線が痛かったけど、というか冷たかったけど、さすがに橋本の前でとやかく言う奴はいなかった。
付き合ったと言っても、初めは別に普通だった。橋本が教科書貸して、って言ってきたりはしたけど、それぐらい。
それから2週間ぐらいして、ついに橋本が『今度の週末、2人でどっか行かね?』ときた。
……つまりそれは、デートのお誘いと考えても?
そんなことを聞いて見たかったけど、さすがにそれは無粋なので、素直にうん、と頷く。
そして、あたしの人生初デートは、案外あっさりと決まったのだった。
待ち合わせ時間の5分前。あたしはついちょっと早めに来てしまって、ぼけーっと待っていると。
「悪い、待った?」
妙に洒落た恰好の橋本がやってきた。ついさっき来たところだし、まだ時間前なので、「いや?」と答えておく。
キラキラと背景が見えそうな笑顔を振りまいて、橋本は「その服、似合ってるね」と言った。
……今の私の服は、チュニックにベスト、パンツ、あと帽子にブーツと結構あたしにしては男っぽくない服だ。
それでも女子っぽくはないんだけど……そっか、これでも似合うのか。あたしは、内心かなりほっとした。
「じゃあ、行こうぜ」
そう言って手を差し出す橋本。私は、一瞬戸惑う。
……ああ、そっか。デートだもんね。手ぐらいつなぐか。
「……うん」
ちょっと恥ずかしくなって、うつむいて手を伸ばす。……うーあ、今きっと、顔真っ赤だぞ。
橋本はその手をしっかり握り、あたしをひっぱって歩き出した。
その後は、話に聞く……というか話し相手いないから、本とかで読むデートと、さほど変わりはなかった。
中学生だから映画館とか遊園地には行かなかったけど、ゲームセンター行ったり、買い物したり。
……まあ、全部学校最寄り駅の2つ先の駅前でだけど。子供だし?
色々やって、疲れたしちょっとマ●クでご飯にしよーか、ということになり。
「ふう……」
男の子の手前、普段よりだいぶ少なく頼んだんだけど……やっぱちょっと、足んないかも。
だけど橋本は、あたしよりかなり多く買ったはずなのに、あたしより先に食べ終わってこっちをじっと見ていた。
……ええい、なぜそんなにジッと見つめる! 恥ずかしいじゃんか。
目を合わせると、ニコッと笑う橋本。……背景にキラキラが飛ぶのを幻視した。
一通り食べ終わり、「次どうしよっか」と話しかけようと顔を上げて……絶句。
「…………っ?!」
め、目の前に橋本がっ?!
驚きのあまり硬直するあたしを見て、顔を離した橋本は、ニコッていうか……ちょっとニヤッと、笑った。
「ケチャップ味」
……あ、当たり前だあっ! 耳まで火照る。きっと、あたしまた真っ赤だ。
びっくりなんてもんじゃないぐらい、驚くあたしを尻目に、橋本は「これ、置いてくるな」とさっさと席を立ってしまった。
なに?! なんですか?! なんなんですかっ?!
あたしはまだパニクってたけど、やがてふと気づく。
「……ファーストキス、かぁ……」
その後、2人で手をつないで電車に乗り、学校最寄り駅まで来て。
「じゃあ……また明日な」
「……うん」
家が逆方向のあたしたちは、そのまま別れたのだった。
そっか、あれがデートってやつか。……あれが、キスってやつか。
……また、橋本とするのかな、デート。キス……
柄にもなくふわふわした気持ちで、帰路につくあたしだったが、そんなふわふわも長くは続かなかった。
他に比べると短めだけど、キリがいいので一旦終了。
私はデートの経験がまったくないので、完全に想像だけで書いたけど……これでよかったのかな?
更新遅れてすみませんでした!