ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 自殺志願者に与えられた事 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/22 11:38
- 名前: 星空 (ID: RIMOjgnX)
第1章 『私に生きる意味をください』
私、神野紫音が、テレビのニュースを眺めていたら、既に学校へ行くべき時間だった。
ニュースでは、『妖怪』が人を襲う事件が多発しているそうな。全く、陰陽師は何をして遊んでるんだか。
ああ、学校なんて行きたくない。面倒くさいや。
教室の壊れかけてちょっと重い戸を開く。
「ゴツッ」と、何かが頭に強く当たる音が教室に響く。
「あっははは」と、生徒達の笑い声が教室に響く。
「ぱらぱら」と、紙ごみが降ってくる。
さっき頭に強く当たったのは、ゴミ箱。
さっき聞こえた笑い声は、もう、聞き飽きた。
さっき振ってきた紙ごみは、日常の風景。
「また来たのぉ? そんなにあそんでほしいのねぇ?」
「あははは! 紫音、ドMだったんだー! ウケルー」なぜそうなるか。
自分の机には、いつも通りステキなあーと(落書きとも言う)が描かれている。ついでにイスにも。
「紫音が喜ぶように、机を綺麗にしてあげたよぉ。ステキでしょう?」
「うわー。きれー。すてきー。…私なんかの机を綺麗にしちゃって。暇なんだね」
さっさと荷物を置いて、机を綺麗にする。
なにやら『バカ』とか『死ね』とか『学校来るな』と、芸術的に書かれてる。私が学校に来なかったら暇で暇で仕方ないくせに。
突然、わき腹を勢いよく蹴られ、教室の床に叩きつけられる。
……冷たくて、無愛想な床だ。ぬくもりの「ぬ」の字も無い。
「うちが暇ぁ? 本気でそう思ってんのぉ?」
私がいじめられ始めた原因の人、杉山瑠華が私の髪の毛を引っ張りながら問い詰める。
「私の机にアートを施すなんて、暇人のすることじゃない?」
「そんな訳でしょぉ。あんたがうちと遊びたいって言うから、遊んであげてるのぉ。大切な時間まで割いて」
さらに強く髪を引っ張る。やめて、ハゲる。…後、遊んで欲しいなんていってない。
「じゃあ、今日は何する?」と、文月紗江李。
クラスの男子全員は、その自体にシカト。ついでに瑠華と紗江李以外の女子も。
最近の子供は目の前で起こるいじめを止めようとはしないらしい。係わりたくないし、何よりも自分が大切だから。
きっと私も目の前で起こるいじめを止めようとはしなかっただろう。
「じゃあ、今日はプールに落とす遊びをしてあげるぅ」11月のプールで遊ぶなんて、危険な行為だ。
私は逃亡を図った。足の速さだったら、おそらく陸上部級だ。ちなみに私はバレーボール部だけど。短距離は得意だ。
10秒くらいで私の2年4組のクラスから離れ、2年7組の前の階段から2階へ上がる事ができた。
素早くと4階へ上がり、屋上へ行った。
屋上の床は見事な秋晴れで、太陽の光を浴び、暖かくなっていた。無愛想な教室の床とは大違い。
このまま授業も受けずのんびりくつろぐのもいいかもしれない。
そして、生徒が下校する時間帯に屋上から飛び降りれば——
全てが終わりを告げるはずだ。