ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 銀の瞳 ( No.3 )
日時: 2011/10/21 16:20
名前: 唯菜 (ID: pzcqBRyu)

プロローグ■■◆□



「僕は、なんでも知っている。いや、知りすぎてしまった」


“力”を持つようになってから、僕はそう思うことが多かった。
人に遠慮なんてしない。自分の方が上だとわかっていた。———
僕には、“力”があるのだから。



「君は、一人で寂しくないの?」

幼かったあのころ、夢を見た。

「ずっとここにいるから、寂しくない」
「僕は寂しい。いつも一人だから」

親は事故で死んでしまい、親戚に引き取られた僕は、いつも家で一人だった。
長い髪を揺らして、少女はニコっとわらう。
僕も思わずニコっと返した。

「じゃあ、お姉さんがお守りをあげるね。もう寂しくないよ」

少女が手をこすると、銀色に輝く小さな粒がでてきた。

「きれいだね」

僕は純粋なきもちで答えた。今思うと、それほどきれいではなかった。
うすく汚れていたのを、覚えている。

「はい。大切にしてね」
「うん!」
—————


ガバッ!!
息を荒げながら体をおこした。
「また…あの夢…」