ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 独り言 ( No.3 )
日時: 2011/10/23 18:17
名前: 優梨 (ID: CnuWh.SU)

第一話 「虐待」


「…っ!…ったぁっ…」

隣から姉貴の…痛々しい声が聞こえてくる。
今日も始まった。

虐待が。

パシンッ

そんなでかい音がする。

「いってぇ…」

今度は姉貴じゃなく、僕にやってくる。

「何よ、その目つきと言い、言葉使いも。」

母親…とは言えない母親が僕に問う。
僕は、正論を言ったまでなのに…

「僕は元々この顔立ちなんだ。それくらい親なら分かるだろ。言葉使いなんて、どうだっていいだろ。」

パシンッ!!

今度はもっと大きな平打ちを叩かれる。

親ともいえる存在でもない人に、言葉を選んで言う必要があるか?
そんなもの…

「ある訳ないだろ…。」

「親に向かってなによ!その態度!!大人に対しての言葉使いが分からない訳!?」

あーあ、怒り過ぎて顔が真っ赤だよ?
『おばさん』
もう32歳なんだ。30代はもうおばさんと言って良いだろう。

「…チッ、ごちゃごちゃうるせーな(ボソッ」

「何?口答えでもする気?」

もうしてるしww
アンタの耳も遠くなったもんだね。

「お母さん、止めて…。やるなら私にやって!栞が可哀想!私が全部…全部受け止めるから!」

「!?」

僕だけが驚く。
だって、そうでしょ?
普通、自分が犠牲になってまで人をかばおうとする人はいるのか?
少なくとも僕は…しない。
なんて…姉貴だ。

「いいよ、平等…でいいよ…。」

「…」

姉貴は黙る。
だよ…ね。
普通は「全部僕が受け止める」って言うのに。
平等…?何、戯言をほざいている…?
と、誰もが言うだろう。

「平等…ね。いいわよ。私は。」

おばさんは言う。

「私…平等でも…私だけでも構わないよ。」

まだ「自分だけ」と言うのか…?
僕は…結構ひどいこと言ったはずなのに。

あぁ、わかった。
姉貴は人が良いんだ。
だから、そこまでしても僕をかばうんだ。
…それなのに、僕は…。
最低だ。

でも、このことはまた今度…話そう。
今は…痛いから…。