ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 独り言 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/23 18:52
- 名前: 優梨 (ID: CnuWh.SU)
第二話 「独り言」
目が覚めた。
僕はあれから、フラつきながら自分のベッドへと戻って行ったんだ。
痛すぎて眠れなかったけど、明日、つまりは今日のことを考えていたらいつのまにか寝ていたんだ。
そして今、目が覚めた。
僕は身じたくをして外に出る。
髪はちゃんと…とかしたから、変な所はないと思う。
…多分。
なぜ僕が外に出たかと言うと、ご飯を買うためだ。
それが、僕の1日の始まりの1つでもある。
休日は、朝家を出て、ご飯を買って家に戻って食べる。
そして、独り言を言う。
平日は、朝家を出て、ご飯を食べながら学校へ行って、深夜くらいになったら家に帰る。
家なんて、あまり行きたくないから。
だって、酒に酔いしれているおじさんとおばさんが居る。
今、言っていたおじさんとおばさんは、父と母のことだ。
これからもそう呼ぶ。
酒臭いし、煙草の臭いだってする。
あんな臭い所なんて居たくないから、僕はあまり家に居ないようにしている。
休日は別でね。
休日は2人が居なくなるから。
どうせギャンブルとかに行っているんだろう。
ご飯、というものは朝昼晩、すべてのモノを買うんだ。
汚れきった家にあるものなんて食べたくもないからね。
誰だってそうだろ?
だから、僕は新鮮なモノを買って食べるんだよ。
あ、ちゃんと姉貴のも買ってるんだ。
いつも優しくしてくれているお礼にね。
僕にはそんなことしかできないから、買うんだ。
2人分のご飯を。
家に帰るとすでに姉貴は起きていた。
「お帰り」
と言って、笑う。
僕は、それにつられ笑いながら…
「ただいま」
って言うんだ。
僕達の日常は、これが普通…そう、いつも通りなんだ。
そして、ご飯を食べ終えて…いつものように独り言を言う。
昨日の続きから。
「母親…とは言えない母親が僕に問う。
僕は、正論を言ったまでなのに…
「僕は元々この顔立ちなんだ。それくらい親なら分かるだろ。言葉使いなんて、どうだっていいだろ。」
今度はもっと大きな平打ちを叩かれる。
親ともいえる存在でもない人に、言葉を選んで言う必要があるか?
そんなもの…
「ある訳ないだろ…。」
そして、怒る。
怒る、怒る。
あーあ、怒り過ぎて顔が真っ赤だよ?
『おばさん』
もう32歳なんだ。30代はもうおばさんと言って良いだろう。
「…チッ、ごちゃごちゃうるせーな(ボソッ」
口答えなんて、もうしてるしww
アンタの耳も遠くなったもんだね。
「お母さん、止めて…。やるなら私にやって!栞が可哀想!私が全部…全部受け止めるから!」
「!?」
僕だけが驚く。
だって、そうでしょ?
普通、自分が犠牲になってまで人をかばおうとする人はいるのか?
少なくとも僕は…しない。
なんて…姉貴だ。
「いいよ、平等…でいいよ…。」
「…」
姉貴は黙る。
だよ…ね。
普通は「全部僕が受け止める」って言うのに。
平等…?何、戯言をほざいている…?
と、誰もが言うだろう。
おばさんは最低な言葉を言う。
「私…平等でも…私だけでも構わないよ。」
まだ「自分だけ」と言うのか…?
僕は…結構ひどいこと言ったはずなのに。
あぁ、わかった。
姉貴は人が良いんだ。
だから、そこまでしても僕をかばうんだ。
…それなのに、僕は…。
最低だ。
…人は、何故生きるのだろうか?
…人は、なぜ生まれてきたのだろうか?
人間なんて…!!!!
いらないんだよっ!!!!!!!!!!!!
皆!皆消えちまえばいいんだっ!!!!
ほら、皆で死のうよ…。
ドカーンって、爆発音と共にさ、閃光浴びてさ、もうメチャクチャになって!
何もかも…!!
そうだよ!!
メチャクチャになって皆で死のうよ!!!
あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!」
「…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
姉貴の言った言葉をそのまま言って、独り芝居をする。
最後の方の荒れた感じ…それは…僕の本性なんだよ。
その時点で、僕は狂った。
そして、最後の締めの言葉は必ずこれなんだ。
「ねぇ、なんで人は自殺すると思う?
それはね、人生を楽しんでいないからだよ。」