ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 密室小学校 ( No.35 )
日時: 2012/05/03 20:49
名前: うりゅー (ID: eDPPsGjZ)

「奈乃華っ・・・」
「なーに?圭くん そんなに悔しいのかなー?」

何でお前はっ・・・
人を騙して、人を消して、そんな平常心でいられるんだ?

純平とのかかわりは、昨日だったからまだ、ありえなくもない。
でも、親友とか、幼馴染のような関係の翔迩を騙したんだ。こんなの、俺が許すわけがない。翔迩もかなりウザかった。しかし、この夜のうちに友達・・・に、なったのも確かだ。


許さないというより、何が何でも、許したくない。
こんな、騙しあいのようなゲームなんか、楽しくない。

そうだ・・・
ここで俺の能力を使おう。 
純平や、翔迩をかえしてもらおう。

火や、水はここには豊富にある。コンロ、水道をずっと出しておけば、いつでも俺の能力が使える。


「奈乃華、俺は・・・もう、・・・お前を許さないっ・・・」
「ほほぅ・・・そうきたか・・・ でも、圭くんの力じゃなのには勝てないよ?」

「知るかっ!そんなの、どうだっていい!」

俺は、怒りに満ちた。
しかし、奈乃華はいつもとおり、ポジティブに軽く進める
水道を出し、コンロをつける。かなり蒸し暑い。出した水の勢いはすごかったせいか、すぐに床にあふれ出した。

やっと自分の能力が普通に、おかまいなく使えると思うとなんだか気分がスッとした。

まずは水でトルネードでもつくってそいつを奈乃華にぶつけてみるか?
いや、やるしかない。 
なにがなんでも、俺はアイツ、奈乃華を倒さなきゃいけないんだ。

「うりゃっ!」
「ふーん、それが圭くんの能力かーでも、無理だよ」

奈乃華は俺の攻撃をきれいにかわした。しかも、余裕べった顔をしながら、喋りながら横に、スッと。
最初から承知済みだったが、やっぱり向こうも予知の能力を使ってきた。そっちがその気なら、俺も予知範囲のギリギリまで攻撃を続けてやる。連携攻撃なら?

同じ攻撃を何度も続けてやれば・・・
最近家庭科室の床にはきれいにするための油のようなものをひいた。火は、燃え続けるから効果的だ。それに、さっきの攻撃で床も水でぬれている。よし、。

「俺は、近くの火や水とかを操れんだよっ くらえっ」
「すごいね。でも、次は炎の連続攻撃なんでしょ?なのは予知でわかってるんだよー♪」

やっぱり奈乃華は予知を使って何事もないように俺の攻撃をかわしてくる。
もう、この際には適当に何度も攻撃を続けるしかない・・・

「次はっ・・「やめろ坂本!」・・・」

優太が攻撃の直前で俺の腕をつかむ。

「何でだよっ優太!アイツは!」
「ああ、わかっている。でもこれ以上無意味な攻撃を続けるわけにはいかないだろう?向こうも予知を使っている。それに、周りを見ろ。床や壁がところどころ焦げていて、びしょびしょにぬれている。後で言い訳をするにしても、どうしようもないだろう」
「・・・・・」

優太が俺の攻撃を止めた理由の正論さに言葉を失う。

「それと、もうすぐ他の生徒も来るだろう。念のため火災ベルなどは俺が切っておいたが、俺たち6年は次は家庭科室だ。そのあたりもちゃんと考えろ」
「それじゃあ、なのは教室に戻るねー また後で〜♪」

「・・・」

何も出来なかった悔しさに俺はすごく心の中では気が荒れた。
それに、このまま何も考えずに行動していたら、現場にいた優太にまで迷惑がかかったかもしれない。

「準備もなしにずっとここにいたらほかの生徒に怪しまれる。俺たちも教室に戻るぞ」
「あぁ・・・・・」

俺はなぜか、優太と同様、次が昨日から楽しみにしていた調理実習でもそんなに乗り気ではなかった。
同じ班であった純平もいなかったので、料理もあまり美味しくなかった。
家庭科室の、散乱は、誰かのイタズラ、などですんだのはよかったが・・・

そのまま、もう2時間くらい過ぎた。
今はもう4時間目直前。俺はいつもと違って静かに教室でこの休憩時間を過ごす。

そんな中、チャイムがなった。聞いたことのない先生の声だったので、ちゃんと聞いているみんなは首をかしげていた。

「キーンコーンカーンコーン 
 {6年1組の垣真優太さん、6年3組の坂本圭哉さん、5年6組の多茅羽奈乃華さん。1年6組の、空き教室に来てください。
くりかえします。 6年1組の垣真優太さん、6年3組の坂本圭哉さん、5年6組の多茅羽奈乃華さん。1年6組の空き教室にきてください。}」



行ってやるさ。絶対に。

今回も生き残って、純平を、取り戻してやる!