ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 密室小学校 ( No.39 )
- 日時: 2012/05/29 16:53
- 名前: うりゅー (ID: eDPPsGjZ)
「この教室を出る前に10個以上だ。それじゃあ探すぞ」
俺は何度頭の中で考えても優太の言葉の意味がわからない。くそうっ!くそうっ!
これだから優等生は困る。10個以上とか、俺、そんなの、む!り!
一応、俺は人の他の見事はいつも聞いているが、あえて物探すのは断ってるほうだし。今のことからもうすでにみんなわかっていると思うが、探すの苦手だから、ということだ。
その俺に「10個探せ」だと!?
なんちゅーヤツだ!
もうやだ。とにかく探そう・・・
「わ!一個みつかったよー!ホント、今回に限ってかなり難しいねー 五個みつかるかなぁ?」
なぬっ!?
もう一個みつかったのか!?あの奈乃華でも3分かー
じゃあ、俺に10個はもう無理だな。2個見つかったところでタイムオーバーだ。
そんな奈乃華に優太が話しかけに行く。なにか案でもあるのか?
「おい、多茅羽。その鍵、どこにあった。」
「う〜ん。優くんだからなにか策でもあるのかな?まぁいいよ教えてあげる。これはねー、窓の隙間にあったよ。一歩間違えたら外にでも落ちそうなくらい取りにくかったけどね」
「そうか。じゅうぶんだ。ありがとう」
「どいたま どいたまーだね」
優太は、ただ、鍵の場所を聞いただけだった。
そのまま二人とも鍵探しに戻る。二人ともかなり真剣だ。それほどここを出たいのか?
とし、俺も考えるんだ。真剣モードに入ろう。今の奈乃華の言ったこと、よく純平が探す系のゲームで言っていたことを元に鍵の場所を絞るんだ。
まず、窓の隙間はもうないな。純平が同じようなところにはほとんどないって言ってたしな。
それまで難しいんなら、机の中はないともう。
掃除道具ロッカーの裏とかにあるかもしれない。意外なところを探してみようか。
よし!探索開始だ!
〜20分後〜
そろそろ俺の頭も限界だ。制限時間もあと12分くらい。ヤバイな・・・ 優太に言われた10個以上、無理かもしれない。まだ六個。あと4個か・・・
優太は7個とってもう脱出。奈乃華は今現在9個とってまだ探している。
えーと、ななたすきゅうたすろくは、22個か、あと残りはまだ8個ある。早く探さないと。
「よし、10個目だあっ!圭君のためにあと7個のこしといてあげる。せいぜいがんばってね〜♪」
そう俺に言い残して奈乃華は教室をでていった。
あともう5分しかない・・・俺に希望はないのか?
頭の体力も限界に尽きていてもともと探し物が苦手な俺にはもう、奇跡かなにかがないかぎり、脱出不可能といってもいいところだろう。
一応5個はあるから俺は一人で脱出できる。もうここをでようか?
まただ。心の中のすぐにあきらめようとする俺。優太に言われた約束なんだから、がんばってさがなきゃ・・・
もうだめだ。
あきらめかけた俺の前に、ボールが飛んできた。
は?
「あきらめんなよなっ!圭哉、あとは俺がさがすからなっ!」
「え?」
俺の目の前には消えたはずの純平がいた。
これが、優太の言ったいた「10個」の理由なのか?
いやいや、ともかく、・・・
--------------奇跡はあったんだ