ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 平和の哥 ( No.2 )
日時: 2011/10/29 23:08
名前: 月夜の救世主 (ID: s.HbjPwj)
参照: ameblo.jp/pokemon19/

この世界の政治は腐っていた。強者と弱者、富豪と貧民のように大きな差を作った。そのため、虐殺を大いなる力で作ったようなものだった。
政府、『カイン・ルーゲ』に対するデモが起こる。それは世界的に広がり、カイン・ルーゲは何億人もの人々を敵に回した。
 だが、力の大きい政府はそんな人々をどうにでもできた。軍をだし、デモに参加する者を片っ端から潰していった。それは勝ち目のない戦争の一つだった。
 政府は何を思ってか、関係の無い者まで襲い始める。恐らく、デモ参加者を減らすための一つの行動だろう。人々は瞬く間に減っていき……
 
というようなことが約250年程前にあったことだ。現在玄武の年。技術は発達し、近未来的都市が沢山できた。と同時に、また政治は腐りつつあった。そして今、カイン・ルーゲ中心に行われようとしている『人狩り』が始まろうとしていた。


1.0『腐乱』


「ここでいっかな。」

よっこいせと小声で大きな袋を置いた。ここ、例の政府がある『政府中心都市ポリンティカ』に若い青年がやってきた。袋をガサゴソ手を突っ込んで、綺麗に光る宝石を自分で作った折りたたみ式の机の上に置いた。
 
「宝石売ってますよー。今なら良品質でお買い得だけどー?」

如何にもお金もちそうなマダムが石を手にとってマジマジと観る。「いいわね……」と小声で呟いて、トパーズを買っていった。それからいろんな人が立ち寄って、次々と買っていった。
 今日の予定金にはたどり着いたので早くも店じまいしようかと少しだけ売れ残った宝石をまた袋へしまう。そして重い袋を背中にかける。
と、そのとき!

「来てもらおうか!」
「はっ?」

いつのまにか、彼は機関銃を政府兵士に突きつけられていたのだ。あまりにいきなりのことなので、戸惑いながら歩く。そして歩きながら気づく。
(人狩り……ってのか?!まさか……そんなに政治腐ってるのかよ!)
 周りを見ると、同じように捕まった人々が。皆で気の毒な目で見合った。
 すると奥から青年が歩いてくる。腕には政府の紋章のプレートがつけてある。兵士たちは敬礼をしだした。

(コイツ……隊長か……。)

隊長は拘束された人々を見つめ、

「追放しろ……」

と、冷たく言い放つ。

「追放……?!まさか……下界(インフェリオレ)にか……?!」
「あぁ、そうだ。抹殺の法は消された。」
「……そうか。だけど、俺はまだ死にたくないんだよな……。」

青年は横にいた兵士を殴りつけた。周りにいた兵士は青年に銃を向ける。青年は急いで後ろから宝石を出す。

「へへっ。宝石の炎は見たくないか?」

青年は赤い宝石を投げる。

〔炎の嵐(パイロープ)〕---------