PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.201 )
- 日時: 2013/06/06 14:54
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: lgK0/KeO)
第四十二話 付き合う
「うん、うん・・・。へぇ、それで?」
ヒストラが画面越しの相手に笑顔を向けながら続きを促す。
話の相手は赤いピンで髪を止めている博士。
女性を魅了する色気と、どこか気品が漂う青年だ。
[どうせ暇だろう?なら付き合えよ]
口角を上げて挑発気味に誘う。
ヒストラはクスクスと笑う。
「君は本当に面白いことを考えるね!」
[そうか?だけど・・・気になるだろう?]
青年の問いに、ヒストラは笑みで答える。
「でもさ、本当にいいのぉ?だって相手は君の・・・」
そこまで言って言葉を止める。
青年は変わらない笑みで口を開く。
[今は関係ないさ]
ヒストラの唇が弧を描く。
面白いものを見つけた子供のように、純粋な悪意のこもる笑み。
「うん、いいよ。付き合ってあげる」
椅子からぴょん、と飛ぶ。
[そうか]
青年は満足気な笑みを見せる。
「フフッ。でもね、君の下につくわけじゃないんだからね?」
[分かってるさ、それくらい]
お互いに顔を見合わせて笑う。
「プリンセス」
帝爛の呼ぶ声が聞こえる。
青年は眉をひそめる。
[まだそいつといるのか・・・]
「そうだよ」
[・・・]
青年は何か言おうとして口を開くが、止めた。
目の前の少女は何を言っても聞かないだろう。
[じゃあな。ヒストラ]
そう別れを告げる青年。
「じゃあね」
可愛らしく微笑む。
青年の姿が消え、画面が黒くなる。
相手が電源を切った証拠だ。
ヒストラの瞳に妖美な輝きが宿る。
「翡翠サン」
自分の画面の電源も消し、ヒストラは帝爛の元へと駆けて行った。
PR