ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.223 )
- 日時: 2013/07/27 10:19
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: T3UB3n3H)
第五十三話 尊敬する人
博士と約束をしてから、僕は沢山のことを学んだ。
これから先必要になることを教えてもらった。
あれから2年。
僕は18歳になった。
博士の年齢は秘密だといって教えてくれなかったが、全く変わっていないように見えた。(もちろん凪は人間兵器なので変化なし)
自分だけが年をとっていく感覚。
なぜかさびしい気持ちになった。
そんな時。
『朽葉、上から許可でたよ』
博士の口からその言葉が出た。
ただ純粋に嬉しくて、ありがとうございますと頭を下げた。
明日やるから、といわれて早まる鼓動を抑えながらベッドに入る。
『凪・・・私・・・私は・・』
珍しく気弱な声が聞こえた。
聞き耳を立てるのは悪いと思ったけれど、気になって眠れなかった。
『大丈夫・・私が・・側にいる・・。彩女は彩女のすべきことをすればいい・・』
『あの人がいなくなって・・もう二年・・・。上部の奴等が急に動き出して・・。許可を下すなんて、何様のつもり・・っ』
『対抗すると決めたんでしょう?そんなゴミ虫共を排除するために、魔女となったんでしょう?』
だったら、と凪が言葉を続けた。
『立ち向かおう。私は人間兵器になっても、彩女への気持ちを忘れていない。過去のことは忘れているけれど、貴方への気持ちは忘れていない』
『・・・凪』
『貴方は私の大切な友達。私のせいで責任を問われた貴方を、守ると決めた』
何があったかは分からない。
けれど、二人の間に強い絆があることは理解した。
いつもは淡々としている凪。
いつもは気楽で陽気で、けれど素顔は冷静沈着な博士。
そんな二人の、秘密を知った気がした。
『だから、一緒に戦おう』
『そうだな・・・。あぁ、そうだ。魔女の恐ろしさを、あいつらに見せてやらなければ・・』
そこで会話は途切れた。
『いいか、朽葉。後悔はないな』
『大丈夫です、博士』
麻酔を打たれ、意識が沈む。
次に目覚めた時、僕は人間兵器となっている。
復讐のために、ずっと願ってきた。
けれど今は、他にも理由が出来た。
『では、始める』
この2年間で、尊敬できる人物となった博士の役に立ちたい。
凪のように、信頼される人物となりたい。
そんな思いが心の中に生まれていた。