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第十二話　遅れ



キイィ・・・




「あら？私が最後ー？」


陽気な声で、彼女は中へ入った

冷たい空気の中、彼女だけが浮いていた


「まだ扇と蓮印がきていない」


誰かが口を開いた

その言葉に、彼女はニッと笑う


「綾音チャンが遅いなんて珍しいねー」

「蓮印はほとんど来てないけどな」


また、誰からが言葉を放つ


「そうなの？ゴメンネ、私、興味が無いものには本当に無関心だから☆」


ウインクをする彼女に、周りの空気がいっそう冷たくなる










































「遅くなりました・・・」



大きな扉を少し遠慮がちに開けて入ってきたのは、白衣の女性

腰まである髪を、珍しくひとつに束ねていた



「綾音チャン、おっそーい！」


彼女は白衣が肩までずり落ちているにもかかわらず、女性______綾音に目を向けた

その頬は緩んでおり、瞳は残酷な冷静な色を宿していた

綾音は、彼女を見た途端、彼女をにらみつけた

そして、歩み寄り・・・



「ナニナニ、綾音チャン？私に何か用？」


挑発するような調子で言う彼女に向かって、綾音は手を振り上げた










































バチンッ！！













綾音は彼女の頬を、手のひらでたたいた



「貴方は本物の魔女ですね」





「魔神さん」