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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.42 )
- 日時: 2012/05/17 20:44
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: AKehFwYl)
第十五話 将棋
顔立ちの整った青年は将棋をしていた
相手は狐の面を付けている
2人の間に流れるのは沈黙
そして、将棋を打つときに聞こえる音だけだった
「・・・・」
「・・・・」
お互い一言も喋らない
それほどまでに集中しているのか・・・?
「・・・王手」
「あ・・・」
可憐な声が沈黙を破り、それに続いて間の抜けた声がする
「今回は私の勝ちだなぁ?遥」
面を付けているので表情は分からぬが、その女は不適に微笑んでいるのだろう
遥と呼ばれた青年はため息をついた
「負けちまったじゃねぇか・・・」
「フッ・・・今度は囲碁でもするか?」
「囲碁はてめぇの得意分野だろ?そんなん負け戦だ」
ゴロリと寝転がる遥
その様子を面越しに見つめる女
「・・なぁ、面とらねぇか?」
「断る」
遥が言った言葉を間髪要れずに否定した
「なんで・・・」
「私の顔を見てどのような反応をするか知っているからだ」
「俺は見てねぇよ」
「だが分かるのだ」
再び訪れた沈黙
「・・・俺はてめぇがどんな顔してたって関係ねぇぜ?別にさ」
「・・・・しかし・・・」
「んー?」
「・・・・」
女はうつむく
遥はそちらを見つめる
数分して、女は顔を上げた
「そうだな・・・貴様は・・・」
「そうそう。俺はおかしいから」
ニッと笑う遥
その場の空気が和んだ
「私はおかしいとは思わぬな・・・」
「そうか?」
「あぁ・・・私は貴様についてゆくぞ」
どこまでもな、と付け加える
「・・・白狐・・・」
「何だ?」
「ありがとな」
フッとやさしく微笑む遥
「構わん」
「ハハッ!」
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