ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ココロ 【オリキャラ募集中】 ( No.43 )
- 日時: 2012/05/17 21:05
- 名前: 優音 ◆XuYU1tsir. (ID: AKehFwYl)
第十六話 表情
崩壊した建物
壊れた金属の塊
人の死体
「あー」
ダンッと踏み込む
「面倒くせぇ!」
バキッ
骨が折れる音がした
殴られた相手は首の骨があらぬ方向へ曲がっている
「・・・やっぱり人間なんてただの血肉の塊・・・」
フゥ・・・と息を吸い、吐き出す
「・・・掃除・・・しないと」
大量の人間の前に手をかざす
その目には何も映らない機械の瞳
「・・・沸騰・・・とかどう?」
その瞬間、人間たちは消滅した
身に着けていたものも消えている
それを行った兵器・・・凪はその後を見つめていた
ただ、見つめていた
「こっちも終わったぜ!」
幼子が声をかける
燃えるように赤い髪が目をひきつける
「・・・終わってる」
「知ってるって!ってか、アンタすげぇな!」
幼子___手李拏は目を輝かせた
その様子に、凪は少し戸惑ってしまう
「なんであいつら消えたんだ!?アンタの能力ってなんなんだ!?」
ズイと近づく手李拏
凪は初対面の幼い兵器に驚いていた
「あ・・・」
「え!?」
「・・・・私は温度を操るの」
そういった
初対面の相手に普通に話しかけ、敬うようなまなざしを向けてくる幼子に、凪はいつもの調子を崩されていた
でも・・・
悪い気はしない、むしろもっと話していたい・・・。というのが凪の本音だ
「そうなのか!?え、でもなんで消えたんだ?」
頭にはてなを浮かべて首をかしげる手李拏
その様子に、思わずクスリと笑ってしまった
その途端、自分の行動に目を見張る
・・・私が・・笑った?
この・・・私が?
人間兵器である・・・私・・・が?
「・・・なぁ、アンタ・・えっと、確か・・・凪?だっけ?どうしたんだぁ?」
自分の名前を呼ばれ、ハッとする
下を向くと、手李拏がこちらを見上げていた
「いや・・・なんでもない」
「?そっか・・・なぁなぁ、それでなんで消えたんだ!?」
同じ質問をしてくる
「そうね・・・とりあえず帰ったら教えてあげる」
「約束だぞ!」
「分かった」
2人は微笑みあった
<何年ぶりだろうか?笑ったのは・・・
本当に久しぶりだ>
凪は空を見上げた
その表情は、人間とまったく同じものだった