ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

第二十九話　移動


黒いフードを深くかぶる姿が２つある
その２つは背がまったく違う
一つは幼い子どもに似た背


「喉渇いたなー」


歩きながら背の高い方がつぶやいた


「そう？」


背の低い方は見上げずに返事を返す


「僕は人間やからなー」


渇いた笑いがした


「・・・空間移動する？」
「うん？」
「・・・・幽博士なら連れて行ってあげる」


心なしか歩調が速くなっていく背の低いフード
その言葉に背の高い方はハハッと笑った


「本当？嬉しいな〜」


じゃあ、頼もうかな、と頭を撫でた
フードが脱げる
真紅の瞳がこちらを見上げていた
ピンクと黒の短髪、片側のおさげが風に揺られる


「・・・うん」


コクンとうなづけば、年相応の幼い風貌が可愛らしく見えた
背の高い方の手を握り締め、トンッと軽く飛び上がった
















一瞬にしてその場から２つの姿は消えていた