ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒。 ( No.105 )
日時: 2012/04/14 15:17
名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【何処?】

 虚木が学校に来ない。
 無断欠席なんて、彼にはめずらしくはないのだけれど、今回ばかりは嫌な胸騒ぎがした。
 後でハジマリと、神代に聞いてみようと思った矢先のことだった。

「星野さん、いる!?」

 大声で叫びながら、神代が教室の扉を開けた。その表情には、焦りが浮かんでいる。
 何事だ、と立ち上がればあちらからみつけてくれたようで、こちらに走ってきた。

「大変なんだ、竜胆くんと依代さんに電話が繋がらないんだ! 家電もだよ。ちょっと思い当たるところがあるから、心配なんだ。星野さんからもかけてくれないか!?」

 神代の言葉に、いつもなら「お前だからだろ、バカ」と一蹴してしまえるのだけれど、嫌な予感はやまない。
 うなずいて、携帯をとりだすと、虚木へとコールする。

 1コール。2コール。3コール。

 粘り強く待っていたが、結局留守電センターに転送されてしまう。
 聞いていたらしく、世界ちゃんと家電にかけてくれいたハジマリも同じだったらしい。

「これ、まずいよ」

 神代がつぶやいた。
 今回ばかりは、同意せざるを得ない。

 私とハジマリ、そして神代は荷物を持つと、虚木の家へと向かうことに決めた。