ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界と一緒 番外 ( No.125 )
日時: 2012/07/12 20:19
名前: 緑川祐 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
参照: 少し過ぎてしまいましたが、七夕文です!

【天の川】


 深い青色の空に、小さな星がポツポツと輝いている。川のように連なった星に、世界が顔を輝かせた。
 今日は七夕だ。一年に一度だけ、織姫と彦星が出会う日。彼らは凄い。年に一度しか世界に会えないとしたら、僕なら2・3人殺しているかもしれない。

「綺麗だねぇ」

 僕の方を見て、世界がだらしなく口元を緩めた。その表情の方が、僕には何百倍も綺麗に見えたのだけれど、水を注すのもあれだし黙っておいた。

「星に向けて言いなよ」

 そう言うと、世界は一瞬きょとんとした表情を浮かべた後にまた、へにゃりと笑った。ああ、可愛いな。
 ふわふわした彼女の笑顔は、たぶん天女よりも美しい。なにものにも汚されてはいけない、柔らかくて美しくて儚くて、僕を導いてくれる大切なお星様だ。

「星じゃないよ。りんどーの目。空と同じ色!」

 ぴしっと指をさされて、少し顔を引いた。しかし、この空と同じ色、か。



 ならば僕も、星になれるのでしょう