PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.17 )
- 日時: 2011/12/07 17:57
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
【ホテルに連れ込むとか犯罪臭】
「それで、何の用ですか?」
僕らは、おじさんの泊まっているらしいホテルの一室にいた。当然ながら世界は家で寝てる。
そこそこふかふかのベッドを堪能しながら、僕はおじさんに問いかけた。
「手紙に書いてあったとおりだよ」
おじさんの手紙に書いてあったのは、世界とおばさんのことを詳しく教えてくれ、断れば家に直接顔を出すという脅しに近い内容。
しかも、僕が断れないと理解してだからタチが悪い。
「ふ、嘘でしょ?」
なに食わぬ顔のおじさんに、にやりと笑ってみせると、おじさんも柔らかく笑った。
こんな人の良さそうな笑みをうかべる人が“犯罪者”だなんて、人を信じるのをやめたくなるね。
初めから信じてなんか無いけど。
「いや、それも本当だよ」
「つまり、ほかの目的もあるんでしょ?」
おじさんは笑うばかりで、今度は否定しなかった。
おじさんの目的なんて、大体想像がつく。僕には関係ないけど。
時計の針が10時20分を差した。世界が心配だ。
あぁ、早く帰りたい。
PR