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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.18 )
- 日時: 2011/12/08 07:13
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: ちょっと短い。
【腹の探り合い】
「詳しくもなにも…この前話したとおりですよ?世界は、山口世界ではなく依代世界として、貴方を忘れて、平和な母子家庭に生まれた普通の少女として生きています。いつだって、竜胆って僕を呼んで、求めてくれる。
おばさんは去年、急性心不全で亡くなりました。本当に、急に。今は僕ら二人で暮らしています。…平和に暮らしてるんですから、それを壊すような行動は自重してもらえませんか?」
苛立ちに任せて、一気にそれだけ言うと、おじさんは目を細めて笑った。
なんだろう、とても不快だ。それも、殺したくなるくらいに。
それでも僕は、ベッドに寝ころんだまま。
「君は、何か変わったか?」
「…えぇ。世界が愛しくてたまらなくなりましたよ」
体を起こして、僕も笑ってみせる。それがおじさんの問いかけの答えになっていないことを知ってるから。
けど、おじさんは口元を歪めたまま楽しげに頷いた。
「それは良かった。…けれどね、世界は本当にそれを望んでいるのか?」
おじさんの言葉に眉をひそめる。なにが言いたいのか、わからない。
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