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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.25 )
- 日時: 2011/12/14 15:28
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: クトゥルフ神話って素敵な響き!/手洗いうがい忘れずに!
【神代理(笑) 1】
「ねぇ、竜胆くんいる?」
ある日の放課後、中庭に呼び出された。相手に見覚えはなかったけど、タイの色が緑だからおそらく同学年。
何となく嫌な予感がしたから、世界は先に帰らせる。夏場で明るいし、星野が一緒だから大丈夫だろうとは思うけど、やっぱり心配で仕方がない。色々。
「依代さんが心配?」
そんな風にそわそわしてる僕を見て、そいつが笑った。僕は少し苛立ちを覚えながらも、小さくため息を吐いてそれをやり過ごす。
「…そう思うなら、早く帰らせてくれないかな?知らない奴にいきなり呼び出されて、気長に待ってられるほど、僕は心の広い人間じゃないんだけど」
僕の言葉に、またそいつが笑った。今度は、かなり自嘲的に。面倒臭そうな奴。
「やっぱ、俺のことなんて覚えてないか。中学3年間、同じクラスだったんだけど、一応。神代だよ、神代理」
かみしろおさむ、と相手が告げた名前を心の中でリピートしてみる。
中学の時の同級生なんて、ほとんど覚えてないけど、神代理の名前だけは覚えてる。かなり印象に残る名前だし。
「あぁ、かみだいり、ね。何の用なの?」
世界、大丈夫かな…あぁ、早く帰りたい。
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