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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.29 )
- 日時: 2011/12/15 17:06
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: ネックレスとか指輪のプレゼントって、独占欲の現れらしいよ!
【神代理(笑) 3】
世界は、昔から面倒な奴に好かれる。
犯罪者、ストーカー、加虐性愛者。亜蝉、神代、そして…僕。他にも、たくさん。
それが彼女の魅力なのか、わからないけど。とりあえず僕は、目の前のストーカーもとい、世界に魅了された塵屑を見つめた。
「ねぇ、竜胆くん」
「言いたいことくらいわかってるよ、死んで、でしょ」
また、こういう展開なんだ。僕は小さくため息を吐く。
むけられたナイフはちゃちな物。昨日の、亜蝉のものとは比べ物にならないそれにまたため息を吐く。あぁ、幸せが逃げる。
「ほんとに殺すんだ?」
柔らかく笑いかけてみれば、神代は少しばかり狼狽えたみたいだったけど、口元を歪めなおして、頷いた。
素直なのはいいことだよね。かっこよさからは程遠いけど。僕は笑みを崩さず続ける。
「いいよ。殺せばいい。けど、僕が消えたって、世界はアンタの物にはならないよ。たとえアンタが、神様の代理人だったとしてもね。…だって世界は、僕一人の世界なんだから」
おびえた様子なんて、見せてやんない。演技でも、おびえたフリをしたほうが盛り上がるんだろうけど、僕、大根役者だし?
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