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Re: 悲哀と世界。 ( No.3 )
日時: 2011/12/07 05:41
名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)

【チャームポイント】

「二人は付き合ってるの?」
 もう飽きるくらい聞かれた質問に正直、うんざりした。
けど、世界は耳まで真っ赤になってて凄く可愛かったから「うん」と頷いてみた。
 世界は驚いて僕を見て、質問してきた子はやっぱり、と納得してた。
「じゃあ、またね」
 そう言って真っ赤な世界を引っ張って、中庭に向かう。
「ね、ねぇ…りんどー」
 非難の声をあげる世界を全力でシカトする。
じおじおとアブラゼミの声がうるさい。そういえば今は夏だっけ、と当たり前のことを再確認した。
もう数日で世界の誕生日だ。プレゼント買わないと。
「ねぇ、りんどう!」
「なに?」
 反応して振り向いてやると、暑さのせいなのかまだ真っ赤な世界がいた。可愛い
「わ、私も、竜胆のこと、すき」
「知ってる」
「う。…竜胆は私のどこがすき?」
 無粋な答えには無粋な質問が返ってきた。
「その茶色っぽいサラサラの髪もおっきい目もピンクの唇も細い首も
華奢な肩も柔らかい手も桜色の爪も控えめな胸も真っ白い体も子供っぽい声も優しい心も全部全部すきだよ?」
 もちろん汚いとこもすきだけれど。そんな狂気的な告白する気はないから。
「…愛してる、世界」