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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界と一緒。 ( No.32 )
- 日時: 2011/12/18 05:15
- 名前: 結城柵 ◆ewkY4YXY66 (ID: khvYzXY.)
- 参照: とあるボカロ曲の歌詞よりタイトル。
【たった一度の確信も無い】
「ただいま」
「おかえり、遅かったね」
家についた頃にはすでに6時過ぎで、世界が夕飯を用意して待っていてくれた。
大丈夫だった?と笑いかけた世界を、ぎゅうと抱きしめる。世界は、驚いたみたいで一瞬硬直したけど、ちゃんと抱きしめ返してくれる。
ねぇ、亜蝉、神代、これも自己満足だっていうの?
「…世界は、僕といるのがいやじゃない?僕のこと好き?傍にいて…いい?」
声が、震えた。
世界が、僕を拒絶するわけがない。できるわけがない。知ってるのに、不安で仕方がない。
「急にどうしたの?私、竜胆のこと大好きだよ?傍にいてほしいよ?」
何も知らない世界は、そうやって僕に笑いかける。そうやって僕を安心させて、絶望させるんだ。
…知ってるんだ、僕は。
君が、そうやって僕に笑いかけるように、僕がしたんだって。
君が、本当は僕を愛してないって。愛してると思い込ませたのは、紛れもなく僕だって。
全部全部、僕の都合のいい妄想だって。
ああ、それでも。
「ありがと、愛してるよ、世界」
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